2015 Fiscal Year Research-status Report
マイクロ蛍光比例計数管を用いた放射線イメージングデバイスの開発研究
Project/Area Number |
15K18316
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
藤原 健 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 分析計測標準研究部門, 研究員 (90552175)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | X線イメージング / ガス検出器 / GEM / シンチレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は検出媒体にガスを用いた放射線イメージングシステムを開発している。本研究ではガスの発光を利用するシンチレーションガスに着目し、Glass GEMと組み合わせシンチレーション光を用いたガス検出器の開発に取り組んでおり、検出器用に最適なシンチレーションガスの探索を行っている。そのために本年度はガスの混合比を自由に変更できるマスフロー型のガス混合装置を導入した。混合用のガスには、Ar, CF4, Xe, Kr, N2, CO2を整備して、ガスの混合比を変えながらイメージングの試験を行った。 試作した検出器は、ガス検出器としては世界最高レベルの高解像のイメージングに成功し、従来のX線ラジオグラフィーでは困難であった、軽元素で構成される生体試料のイメージングに成功した。検出器の有感面積は100mm□、空間分解能は400um(FWHM) を達成しており、今後ガスの組成を変更することでより高い空間分解能の実現を目指す。また、世界で初めて、ガス増幅による発光量を定量的に調べることに成功した。その結果Glass GEMを用いたガスシンチレーションによるシンチレーション光は85,000 photons/keVと、従来の無機シンチレータ比べ3桁以上高い発光量があることを突き止めた。この結果をまとめ、学会発表と論文誌への投稿を行った。 また、積分時間10msの高速イメージングにも成功し、ガス検出器を用いてX線での動画撮像にも成功した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
試作した検出器は、ガス検出器としては世界最高レベルの高解像のイメージングに成功し、空間分解能500umをきることに成功した。また、世界で初めて、ガス増幅による発光量を定量的に調べることに成功した。その結果が、Glass GEMを用いたガスシンチレーションによるシンチレーション光は85,000 photons/keVと、従来の無機シンチレータ比べ3桁以上高い発光量があることを突き止めた。この結果をまとめ、学会発表と論文誌への投稿を行った。これらは全て当初の計画を上回るものである。
|
Strategy for Future Research Activity |
今ではArガスを中心にガス検出器の開発を行ってきたが、Xe、Krガスを用いた場合、より高解像のイメージングが期待できる。今後は、XeとKrを中心にガス検出器の開発を進めて、高解像イメージング検出器を実現する。
|