2017 Fiscal Year Annual Research Report
Study on three dimensional dose distribution measurement using photostimulated luminescence
Project/Area Number |
15K18321
|
Research Institution | National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology |
Principal Investigator |
横山 彰人 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 放射線高度利用施設部, 主査(定常) (10532088)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 炭素ビーム / ブラッグピーク / がん治療 / ガラス材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
数百MeV/n の炭素ビームが、がんの治療にが利用されており、照射によって付与された線量の3次元分布計測技術は、治療の安全性を向上するために必要であるが、実現には至っていない。本研究では放射線が照射された場所に、線量を読み出すための光を当てることによって輝尽光(Photostimulated luminescence)が誘起されるテルビウムが添加されたガラス材料の高感度な特性に着目し、これを用いてCCD カメラによって2方向から撮影して得た2枚のステレオ画像を用い、3次元の輝尽発光分布を得るための技術開発を3年間の目的とした。 計画の2年目までに、治療に利用される290MeV/uの炭素ビームが1Gy照射されたガラス材料の線量の読み出しを行い、人体組成と等価な水ファントムで満たされた水槽の底から2.5mmの位置に最大線量が測定された。この結果はマーカス電離箱により測定されたブラッグピークの水深と一致したが、ピークの形成を確認するには最大線量が得られた水深前後の測定点数を増やす必要があった。 研究の最終年度については、継続して重粒子線照射と線量読み出し測定を一つのサイクルとして実験を行った。ガラス材料による線量読み出し点数を、前年度の2倍に増やしたことにより、電離箱とガラス材料双方で同等のピークが確認できた。それらのピークからプラトーにおける線量の相対強度比は、4.2と4.8であった。またピークの水深は、電離箱とガラス材料のそれぞれで127 mmと125 mmであり、誤差は1.6%以内であった。 本研究では調達できるガラス材料の大きさや枚数に限りがあったため、3次元画像を得るには至らなかったが、テルビウムが添加されたガラス材料により、がん治療に利用される重粒子線のブラッグピークをモニタできることがわかった。
|