2015 Fiscal Year Research-status Report
自然エネルギーを活用した離島地域における海水淡水化システムの最適運用法
Project/Area Number |
15K18328
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
與那 篤史 琉球大学, 工学部, 助教 (40505939)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 海水淡水化設備 / 自然エネルギー / 離島電力系統 / 水循環システム |
Outline of Annual Research Achievements |
昨今、世界規模で人口が増加しており、経済成長と共に水の需要が急増している。国内の小規模離島においては海水淡水化設備で消費される電力料金が水道料金へ上乗せされるため、他の地域と比較して水道料金が割高となっている地域がある。一般的に海水淡水化施設を大規模化した場合の効率向上は容易であるが、小規模の場合は投資回収が困難であり、特に電力インフラが脆弱な離島等の水循環システム全体の最適化についての報告例は少ない。本研究では実際に海水淡水化設備が設置されている小規模離島を対象として、気象条件、雨水の活用及び水需要を考慮した水循環システムの最適運用法を開発する。また、停電時にも自然エネルギー発電設備によって稼働する防災対応型海水淡水化設備を検討し、当該設備の導入効果について省エネルギー及び経済的指標から評価することで最適設備容量の決定方法を提案する。現段階において、小規模の海水淡水化施設が設置されている沖縄県内の小規模離島を対象とし、地理、気候、水需要について現地視察及び資料収集により調査している。また、類似地域の文献調査及び資料収集を行い、得られた資料を数値化し(地形データ、気象値、水需要及び電力需要)、対象地域における既存の海水淡水化設備と水需要の水循環システムをコンピュータソフトウェアを用いてモデル化を試みている。対象地域の海水淡水化設備、風力発電設備及び太陽光発電設備を導入した場合の水循環システムの最適運用法を検討し、当該設備の最適設備容量の決定方法を開発中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
地形データ、気象値、水需要及び電力需要の資料を数値化し、対象地域における既存の海水淡水化設備と水需要の水循環システムのモデル化を試みているが、データ整理に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
データ整理と並行して、対象地域の海水淡水化設備、風力発電設備及び太陽光発電設備を導入した場合の水循環システムの翌日24時間先1時間毎における運用法を定式化し、電力損失及び余剰電力最小化の観点から運用法を最適化する。また年間を通したシミュレーション結果から投資回収年数を評価し、当該設備の最適設備容量の決定方法を開発する。
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Causes of Carryover |
研究計画より研究実施状況がやや遅れているため、計画していた物品費、旅費及び人件費・謝金と実支出の間に差が生じ、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度計画で必要であった経費の同項目(物品費、旅費及び人件費・謝金)に使用し、研究計画を着実に実施する。
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