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2015 Fiscal Year Research-status Report

シナプス形成に於けるN-カドヘリン内在化機構の解明

Research Project

Project/Area Number 15K18361
Research InstitutionNational Institute for Physiological Sciences

Principal Investigator

永岡 唯宏  生理学研究所, 大脳皮質機能研究系, 特別協力研究員 (70634864)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2017-03-31
KeywordsNカドヘリン / 細胞内平面極性 / シナプス
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、我々が発見した、平面内細胞極性因子Vangl2によるシナプス接着分子Nカドヘリンのエンドサイトーシス制御の分子メカニズムを明らかにすることを目的とする。平成27年度はNカドヘリン/Vangl2複合体に含まれる新規結合因子の探索を試み、主に2つの成果を得た。第一に、複合体精製の予備実験の過程で、ラット海馬由来神経細胞にGFP-Vangl2を発現させ、シナプス後肥厚部の主要な足場蛋白質であるPSD-95の局在を観察したところ、Vangl2のC末端部を欠損させた変異体を過剰発現させた神経細胞ではPSD-95との共局在が減少することが分かった。また、正常な神経細胞ではNカドヘリンとPSD-95は相補的な局在を示すが、Vangl2の発現をノックダウンさせると樹状突起のPSD-95密度が減少するとともに、NカドヘリンとPSD-95の共局在が増加する異常が見られた。この時、PSD-95のシグナル強度の分布は正常細胞に比べて拡散していることも分かった。このことからVangl2が樹状突起においてPSD-95、Nカドヘリンをコンパートメント化し分布を制御している可能性が示唆された。第二には、当該複合体結合蛋白質の候補を得ることができた。具体に的にはヒト胎児腎由来293T細胞に、当該遺伝子を導入し、複合体の精製を試みた。溶出画分をSDS-PAGEで分離し、銀染色を行ったところ、複合体結合蛋白質の候補バンドが現れたので、これらをnano LC-MS/MSで解析、同定した。現在はこれらが特異的相互作用によって得られたものであることを確認するために抗Nカドヘリン抗体で共免疫沈降を行い、候補特異的抗体でウェスタンブロット、免疫染色を行っている。本研究の推進によってN-カドヘリンの細胞内輸送、及びそれに依存するシナプス結合の調節機構を明らかにできると考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の予定では、ラット初代培養ニューロンを用いて当該複合体に結合する分子を探索する計画だったが、蛋白質量の収穫効率が良くないことから断念し、293T細胞による探索へと計画を変更した。よって、当該複合体結合候補蛋白質の同定にやや遅れが生じた。しかし、候補蛋白質に対する特異抗体は既に準備されており、細胞生物学的解析も始めているので、本計画は概ね順調に進んでいる。

Strategy for Future Research Activity

同定された分子の発現をshRNAを用いて抑制し、N-カドヘリンのエンドサイトーシス制御にどのような異常が生じるのかを調べ、また、そのシナプス形成に於ける役割を蛍光抗体法によって、LTP誘導に対する必要性を電気生理学的手法によって、それぞれ解析する。更に当該分子を抑制したニューロンに於いてNMDA受容体活性化によるLTP誘導刺激を加えた際にN-カドヘリンが正常な挙動を示すかどうか、また、コントロールニューロンに於いてそれらの刺激を加えた際に当該分子自体がどのような動態を示すのかを、分子イメージングの手法を用いて明らかにする。N-カドヘリンの動態制御に関わる新規分子群のシナプスに於ける必要性を総合的に明らかにする計画である。

Causes of Carryover

年度途中の異動により、数週間、計画実行に空白期間が生じたこと、また、当該複合体結合候補の同定に時間がかかったことで、次年度使用額が生じた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

平成28年度は、シナプス結合に於けるエンドサイトーシス解析や、シナプスの形態を解析するためのラット海馬由来ニューロン初代培養を多く行うので、相当数の妊娠ラットを購入する計画である。また、ニューロン初代培養は特別な培地、試薬を必要とし、遺伝子導入が困難なため高額な遺伝子導入試薬を使わざるを得ない、そのために多くの細胞培養試薬購入に使用する。また、社会に研究成果を発信するために学会発表の経費、論文投稿に係る経費を使用する計画である。

  • Research Products

    (4 results)

All 2016 2015

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 1 results,  Acknowledgement Compliant: 2 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] The planar cell polarity protein Vangl2 is involved in postsynaptic compartmentalization2016

    • Author(s)
      Tadahiro Nagaoka, Masahi Kishi
    • Journal Title

      Neuroscience Letters

      Volume: 612 Pages: 251-255

    • DOI

      10.1016/j.neulet.2015.12.009

    • Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
  • [Journal Article] PDZ interaction of Vangl2 links PSD-95 and Prickle2 but plays only a limited role in the synaptic localisation of Vangl22015

    • Author(s)
      Tadahiro Nagaoka, Katsuhiko Tabuchi, Masashi Kishi
    • Journal Title

      Scientific Reports

      Volume: 5 Pages: 1-9

    • DOI

      10.1038/srep12916

    • Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
  • [Presentation] Role of planar cell polarity protein Vangl2 in synapse formation2015

    • Author(s)
      Tadahiro Nagaoka, Masashi Kishi
    • Organizer
      2015 cell biology ASCB annual meeting
    • Place of Presentation
      San Diego, CA, USA
    • Year and Date
      2015-12-15
  • [Presentation] Planar Cell Polarity in the Neural Circuit2015

    • Author(s)
      Masashi Kishi, Tadahiro Nagaoka
    • Organizer
      第38回日本分子生物学会年会、第88回日本生化学会大会合同大会
    • Place of Presentation
      神戸ポートアイランド(兵庫県 神戸市)
    • Year and Date
      2015-12-03

URL: 

Published: 2017-01-06  

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