2017 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of molecular mechanisms underlying a novel Olig2 binding factor-mediated oligodendrocyte differentiation
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15K18373
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
備前 典久 新潟大学, 医歯学系, 助教 (40751053)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | オリゴデンドロサイト / Olig2 / p53 / DNA損傷 / ノックアウトマウス / 細胞増殖 / 細胞死 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、オリゴデンドロサイト(OL)分化に必須の転写因子であるOlig2の結合因子探索によって新たに同定したOligodendrocyte-inducing factor (OIF)および、その全長型であるOlig2-binding protein 2 (OBP2)のOL発生における機能を解明することを目的としている。今年度は、前年度に見出した中枢神経系特異的Obp2欠損マウスであるNestin-Cre;Obp2 cKOマウスにおける重度のOL欠損の分子的背景を明らかにするため、RNA-seqによるトランスクリプトーム解析を行った。その結果、胎生期マウス脊髄においてDNA損傷-p53経路に関与する遺伝子群の顕著な発現上昇を検出し、定量PCRでもp53の標的遺伝子群の発現上昇を確認した。さらに、免疫組織化学およびin situ hybridization法により、この経路がObp2欠損マウス脊髄において残存するOlig2陽性細胞で顕著に活性化されていることも確認した。DNA損傷-p53経路の活性化はマウス胎仔終脳でも認められ、特に胎生期大脳におけるOL発生の起源である大脳基底核原基のOlig2陽性神経前駆細胞およびOL前駆細胞で顕著に観察された。以上のことから、Nestin-Cre;Obp2 cKOマウスにおけるOL発生の破綻は、DNA損傷-p53経路の活性化による神経前駆細胞とOL前駆細胞の細胞増殖停止および細胞死が主原因であることが示唆された。
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Research Products
(3 results)