2016 Fiscal Year Annual Research Report
Involvement of bivalent histone modification in age-specific cancer susceptibility
| Project/Area Number |
15K18420
|
|---|
| Research Institution | National Cancer Center Japan |
|---|
Principal Investigator |
服部 奈緒子 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 研究員 (30611090)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
| Keywords | エピジェネティクス / Bivalentヒストン修飾 / 乳腺発がん / 発がん感受性 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
第二次性徴期の乳腺は環境要因に対して感受性が高い事が知られているが、その分子機構は未だ明らかになっていない。私はこれまでに、発がん物質に高感受性時期のラット乳腺上皮細胞では、低感受性時期に比べて、bivalent領域が増加していることを見いだしている。本研究では、時期特異的発がん感受性の機構をエピジェネティクスの観点から明らかにする目的で、高感受性時期の乳腺におけるbivalent修飾の意義の解析を行っている。
最終年度である本年度では、高感受性時期の乳腺上皮細胞において特異的なbivalent遺伝子である91遺伝子について詳細な解析を行った。正常幹細胞のbivalent遺伝子は、がんでDNAメチル化されやすいことが知られているので、独自のラット乳腺腫瘍DNAメチル化データを用い、乳がんでメチル化されているのは7領域を抽出した。また、正常乳腺上皮細胞で低発現の4遺伝子（Cnnm3, Higd1a, Leprel1, Mdga2）、高発現の1遺伝子(Noth3)を同定した。Leprel1は、ヒト乳がんでメチル化サイレンシングされているがん抑制遺伝子であった。現在は、過剰発現およびノックダウンの準備を行っている。
また、ChIP-chipデータの確認のために、小数細胞でのChIP assayの条件検討も行い、10000細胞でbivalent修飾のChIPが可能な条件を見いだした。
さらに、切片を用いたbivalent修飾の可視化のために、現在、マウス大腸の組織を用いたヘテロクロマチン修飾の組合せの可視化に成功している。
以上のことから、発がん物質に高感受性時期の乳腺において特異的なbivalent遺伝子が同定された。それらの一部は、がん抑制遺伝子であり、bivalent修飾の意義が示唆された。
|
