2015 Fiscal Year Research-status Report
地域がん登録データに基づく登録率補正罹患推移を用いたがん罹患リスクの定量評価
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15K18425
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
堀 芽久美 国立研究開発法人国立がん研究センター, がん対策情報センター, 研究員 (20735732)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | がん罹患 / 年次推移 / がん登録 |
Outline of Annual Research Achievements |
がん登録データセットの作成について,現在までに各都道府県にデータ提供を依頼するための申請書類を作成した.当該県の地域がん登録担当者に確認の上,①届出医療機関の区別(がん診療連携拠点病院,DPC対象病院,その他)ができる,②同一人物でも届出医療機関が異なる場合は別レコードとする,③登録率の変動が大きい時期を含める,の3点を満たすデータの提供を申請している.今後,登録精度が大きく変化している栃木県,愛知県のうち,届出数の少ない栃木県からデータ収集を行う予定である. すでに公表されている他の統計資料(国民健康・栄養調査,国民生活基礎調査,先行研究論文)を用いて,がん罹患リスク因子(喫煙,飲酒,肥満,運動,食事,出産数,ウイルス感染率),がんの発見促進に寄与する因子(検診受診率)の推移を明らかにした.今後は,登録率を補正した罹患率の推移を推計し,がん罹患のリスク因子、がんの発見促進に寄与する因子の推移との相関係数を算出する. がん罹患率の推移に影響を受けるがん死亡率の年次推移を性別,部位別,都道府県別に算出し,全国とは有意に異なる傾向を示す都道府県を明らかにした.栃木県,愛知県,福井県における主要ながん(胃,肝臓,肺,乳房,子宮,前立腺,大腸)の死亡率は栃木県の女性肺がんを除き全国と同様であった.今後,登録率補正後の罹患率と死亡率の推移を比較し,罹患率の増加が登録率の変動による影響か,真の増加であるかを検討する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成27年度に1県からのデータ収集を予定していたが,申請書の作成が遅れ,提出のみとなった.各県の地域がん登録室において,地域がん登録から全国がん登録への移行に伴う作業が発生しており,各地域の作業スケジュールを考慮する必要がある.
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Strategy for Future Research Activity |
各地域がん登録室の作業予定を把握し,データ収集,打ち合わせの日程を決定する.また,収集する罹患データが全国がん登録の開始に伴い,新たに都道府県がんデータベースから出力される場合に,以前まで利用していた地域がん登録標準データベースシステムとの違いについて各県担当者へのヒアリングの実施を追加する.
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Causes of Carryover |
平成27年度に1県からのデータ収集を予定していたが,申請書の作成が遅れ,提出のみとなった.そのため,データ収集のために使用予定であった旅費および謝金が未使用となった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度にデータ収集を行うための旅費および謝金として使用する.
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