2016 Fiscal Year Research-status Report
乳癌浸潤の超早期診断を目的とした次世代形態情報ビッグデータの解析
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15K18428
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
山本 陽一朗 信州大学, 医学部, 特任講師 (00573247)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 乳癌 / ビッグデータ / Digital Pathology |
Outline of Annual Research Achievements |
乳癌は浸潤の有無によって、「非浸潤癌(DCIS)」と「浸潤癌」に大きく分けることができ、浸潤の有無で予後が大きく異なっている。本研究では、病理標本上の数万におよぶ細胞を網羅的に測定し、得られた形態特徴量のビッグデータから、いわば「形態情報のマイクロアレイ」を作成し解析するという手法を用いて、乳癌浸潤の超早期診断技術開発および浸潤能獲得過程解明の一端を目指す。 昨年度は、「形態情報マイクロアレイ」の基本プログラムの作成を行った。今年度は、さらにこれらのプログラムの安定化を行い、異なるOS上で動作を可能とした。さらに解析結果を立体化し可視化する手法を開発することにより、視認性の向上が飛躍的に上がった。また、細胞分布に対して生態学で用いられているポイントパターン解析を取り入れた。 そしてこれまでの個別の核情報に加え、細胞集団レベルにおけるpleomorphismやheterogeneityの定量化を可能とするCell Feature Level Co-occurrence Matrix (CFLCM)を新たに開発し、論文発表した(Journal of Pathology Informatics 2016,7:36)。CFLCM法は病理画像上の細胞分布を的確に表現することが可能であり、同手法を用いることによって、個々は全く同内容の細胞集団であっても、その分布形式が異なると、その程度を数値として表現することができる。本手法を組み込むことにより、昨年度より精度の高い解析が可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の基本プログラム解析に加え、本年度は、個別の核情報に加え、細胞集団レベルにおけるpleomorphismやheterogeneityの定量化を可能とするCell Feature Level Co-occurrence Matrix (CFLCM)の開発に成功し論文発表を行った(J Pathol Inform 2016,7:36)。これは当初の計画以上の進展である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に開発した細胞集団レベルにおけるpleomorphismやheterogeneityの定量化を可能とする新技術、Cell Feature Level Co-occurrence Matrix (CFLCM)の応用を積極的に行っていく予定である。また次年度は研究の最終年度に当たるため、筋上皮細胞の解析結果に対する論文も発表していく予定である。
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Causes of Carryover |
物品に係る費用の効率的使用に努めた結果、予想以上の効果があり安価におさまったため若干の未使用が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H29年度請求額をあわせて次年度の物品費の一部として用いる。
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