2015 Fiscal Year Research-status Report
炎症性サイトカインとmicroRNAは軟部腫瘍の診断・予後因子となりうるか?
Project/Area Number |
15K18429
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
中村 知樹 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (50467362)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | inflammation / Interleukin / Soft tissue tumor / Sarcoma / MicroRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
炎症性サイトカイン,microRNA は癌の発生・進行に密接に関係していると考えられている.本研究の目的は,軟部腫瘍における炎症性サイトカインとmicroRNA の解析により,良悪性の診断が可能か,炎症性サイトカインの起源はどこか,これらの因子により生命予後予測が可能かどうかを明らかにすることである. 具体的な研究項目は軟部腫瘍における1)患者血清中の炎症性サイトカインの測定,2)腫瘍組 織における炎症性サイトカインの免疫組織学的解析,3)炎症性サイトカインと軟部腫瘍診断、予後との関連性,4)炎症性サイトカインと特異的microRNA の発現との関連性についてである。現在1)および3)を進めている。 血清中のIL-6は軟部肉腫症例(n=56)にて高悪性度腫瘍であるほど有意に高値であり、IL-6とCRPの上昇は強い相関を認めた。またIL-6が高値である症例は有意に血中ヘモグロビン濃度が低値であることも判明した。好中球を遊走する働きがあるといわれているIL-17を測定したが、現時点では(n=20ほど)、明らかな血清中での濃度上昇は軟部肉腫症例では認めておらず、局所(腫瘍周囲)のみでの作用であることも予想され、今後2)である免疫組織学的解析へと進める予定である。現在集積中のIL-6やIL-17などが生命予後に影響する可能性についても、症例の経過観察期間をもう少し見届けたのちに解析予定である。現在IL-17測定の症例蓄積をしている段階であり、その後4)microRNAとの関連についても研究をすすめていく。IL-6の解析結果については本年の後半に学会で報告予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
血清中サイトカイン濃度の測定に関して、一時濃度調整が困難であったため時間を要した。ただおおむね予定どうり研究はすすんでいると考えており、さらに研究テーマにそって実施していく。
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Strategy for Future Research Activity |
現在血清hepcidinやIL-17などの測定を行っている段階でn=50を目標としている(現在n=20)。前半中には十分達成可能であり、免疫組織学的解析も同時並行で行っていく。これらの解析を行ったうえで、軟部肉腫と関連性のあるサイトカインについて、その背景で上昇しているmicroRNAを網羅的に解析していく予定である。
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Research Products
(1 results)