2016 Fiscal Year Annual Research Report
Identification for tumor marker peptides showing qualitative changes
Project/Area Number |
15K18433
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
増石 有佑 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (20626767)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | CEA / MRM / 糖鎖 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト血清中のCEAの分子形態に着目し、健常者と癌患者を区別することが出来るCEAペプチドの探索を目的とした。大腸癌患者血清のCEA濃度をAIA-600Ⅱ(東ソー)で測定し、最もCEA濃度が高かった血清を用いてIP-MRM測定の条件検討を行った。その結果、IP-MRM法にてヒト血清から定量測定可能な8種類ペプチドを選定した。8種類ペプチドのうち5種類のペプチドは糖鎖修飾を受けているペプチドであった。その多くは報告がこれまでされていない新規の糖ペプチドであった。また、本研究ではSILAC 標識されたCEA を含む培養上清をIP-MRM測定の内部標準とした。 健常者血清も同様にCEA濃度をAIA-600Ⅱ(東ソー)で測定した。CEA濃度が10-20ng/ml程度のわずかに高値の検体を測定対象とし、大腸癌患者血清も同様に10-20ng/mlのCEA濃度を示した検体を測定対象とした。大腸癌患者血清および健常者血清において、IP-MRM法による安定した定量結果が得られたCEAペプチドは8種類中3種類のみであった。それら全てのCEAペプチドにおいて癌患者、健常者間での有意な定量差は見られなかった。 本研究では、IP-MRM法を用いることで極微量の腫瘍マーカータンパク質の定量解析に成功した。さらに研究を継続することで、測定対象の分子形態の変化(質的変化)を明らかにする可能性がある。今後、更なる高分解能を持つ質量分析計や新規タンパク質前処理法を用いることで診断精度を向上させるマーカーペプチドの発見は可能だと考えられる。
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