2015 Fiscal Year Research-status Report
肺扁平上皮癌におけるFGFR1の役割とFGFR阻害薬への耐性化を来す機序の解明
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15K18440
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
天野 陽介 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (50749330)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 分子標的治療薬耐性 |
Outline of Annual Research Achievements |
FGFR阻害薬AZD4547高感受性肺扁平上皮癌細胞株に対してAZD4547を長期間曝露することで樹立したFGFR阻害薬耐性株を用いて、もとの細胞株とマイクロアレイを用いて、発現変化を来した遺伝子を確認した。そのうち、過去の文献報告とあわせて、耐性化に関わっている可能性がある遺伝子を発現上昇したもの11個、発現低下したものを9個にしぼった。 また、もとの細胞株および耐性株に対してRNA sequenceを用いて、新たな変異遺伝子の出現がないかを解析したが、意義のあると思われる変異は検出されなかった。 また、FGFR阻害薬耐性において、下流のpathwayをWestern blottingで確認したところ、その活性化(リン酸化)に変化が見られていることが確認されたが、その多くはもともとAZD4547を投与しても抑制されないか、あるいはリン酸化が亢進していてもAZD4547投与により抑制されるものが多かったことが確認された。なお、FGFR1そのものには遺伝子変異を認めなかった。 そこで、マイクロアレイの結果に基づき発現上昇しているものについてはその遺伝子の阻害薬があれば阻害薬を併用することでの相乗効果/耐性化の解除を、発現低下しているものについては、レンチウイルスベクターを用いて強制発現させることで耐性化の解除を来すか検討している。また、もとの細胞株に強制発現等を行うことで耐性化を来すかどうかも並行して検討している。またpathway解析の結果に基づき、活性化したpathwayの阻害薬を併用することで耐性化の解除を来すかについても解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データの解析自体は順調に進んでおり、耐性化に関わる候補遺伝子について、いくつかは当初に予定を前倒ししてすでに検討を進めているが、現時点において明らかに耐性化にかかわる遺伝子は見つかっていない。
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Strategy for Future Research Activity |
ひきつづき、候補遺伝子について、阻害薬やレンチウイルスベクターを用いた強制発現・発現抑制などを行い、耐性化の解除(またはもとの細胞株の耐性化)を来すかどうか検討していく。 また過去の文献等も踏まえて、候補遺伝子を拡張していくことも検討する。
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