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2015 Fiscal Year Research-status Report

エピゲノムのエビデンスに基づいたHDAC阻害剤によるがん治療法の開発

Research Project

Project/Area Number 15K18441
Research InstitutionTokyo Medical and Dental University

Principal Investigator

谷本 幸介  東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教 (60611613)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2017-03-31
Keywordsヒストンアセチル化 / ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤 / エピゲノム
Outline of Annual Research Achievements

ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤(HDACI)はヒストン脱アセチル化酵素をターゲットとした新しいタイプの抗がん剤である。近年他剤との併用投与で奏効する研究結果が多く報告されているが、併用薬剤の決定にHDACI処理によるエピゲノム状態変化が考慮されている例はほとんどない。本研究ではHDACI処理によるエピゲノム状態変化をゲノムワイドに明らかにし、効率的な併用薬剤の選出に活用することを試みる。本年度はHDACIによるヒストンアセチル化変化をゲノムワイドに解析するための細胞株を公共データベースTCGAの情報を利用して探索し、ヒストン脱アセチル化酵素ファミリーの発現量が高いヒト急性T細胞性白血病細胞株Jurkatを選択した。使用するHDACIとしては、日本において皮膚T細胞性リンパ腫の適応で承認されているSAHA(Vorinostat、商品名ゾリンザ)を選択した。Jurkat細胞にSAHAを処理することでヒストンH3アセチル化が大幅に増加することをウェスタンブロットにより確認できたため、SAHA処理、未処理、Whole Cell Extract(コントロール)のChIP-seqを施行した。これによりSAHA処理によるヒストンH3アセチル化修飾変化をゲノムワイドに特定できた。さらに遺伝子の転写開始点周辺のヒストンH3アセチル化変化に着目したところ、ほぼゲノム全領域に渡りSAHA処理によりアセチル化が亢進していることが明らかになった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

公共データベースを活用して解析に使用する細胞株を選出し、HDACIの一つであるSAHA処理によるヒストンH3アセチル化状態変化をChIP-seq解析によりゲノムワイドに明らかにすることができた。さらに遺伝子発現制御に重要な転写開始点周辺に絞り込みアセチル化状態変化を解析することで、SAHAが発現に影響を及ぼすと考えられる遺伝子群を網羅的に同定することができた。

Strategy for Future Research Activity

RNA-seq解析によりSAHA処理および未処理における網羅的遺伝子発現解析を行う。この結果とChIP-seq解析結果と統合させることにより、SAHA処理によるアセチル化状態変化と発現量変化が同時に確認されるSAHAの標的遺伝子群を明らかにし、それらの遺伝子群の機能を有効と考えられる併用投与薬剤の選択を検討する。

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Published: 2017-01-06  

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