2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of therapeutic strategy for low immunogenic tumor
Project/Area Number |
15K18443
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
村岡 大輔 静岡県立大学, 薬学部, 助教 (20608955)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 腫瘍局所マクロファージ / 抗原提示 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、低免疫原性腫瘍を標的とした治療法の構築を目指し検討を進めた。2016年度は、低免疫原性腫瘍であるCMS5aが、腫瘍局所を非炎症状態に保つことで腫瘍局所マクロファージを未成熟状態に維持し、免疫チェックポイント阻害療法不応答性になっている可能性を見出した。そこで、2017年度は瘍局所マクロファージに注目し、高免疫原性および低免疫原性腫瘍における腫瘍局所マクロファージの差異を詳細に検討した。その結果、高免疫原性腫瘍の腫瘍局所マクロファージは腫瘍抗原を提示しているのに対し、低免疫原性腫瘍の腫瘍局所マクロファージは腫瘍抗原を提示していない事が明らかになった。さらに、この腫瘍局所マクロファージによる抗原提示が腫瘍に対する細胞性免疫応答に影響を及ぼすかを検討する為、両腫瘍モデルに細胞移入療法を施した。その結果、高免疫原性腫瘍では細胞移入療法による腫瘍退縮が観察されるのに対し、低免疫原性腫瘍では、その様な腫瘍退縮が観察されない事が明らかになった。続いて、腫瘍局所マクロファージの抗原提示が腫瘍の細胞性免疫に対する感受性を規定するのであれば、当細胞に腫瘍抗原を提示させる事で細胞免疫に対する感受性を向上させることが可能となるかを検討した。その結果、腫瘍抗原含有長鎖ペプチドをナノゲルと複合体化し作成した微粒子性抗原を担癌マウスへと尾静脈投与することで、腫瘍局所マクロファージに抗原提示能を付与できること、そして当微粒子性抗原ワクチンと細胞移入療法を併用することで、低免疫原性腫瘍の完全退縮が導かれることを明らかにした。以上の結果は、低免疫原性腫瘍に対する治療戦略を確立する上で非常に重要であると考える。
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Research Products
(4 results)