2016 Fiscal Year Annual Research Report
Reactivation of tumor-associated immune cells by gene manipulated iPSCs
Project/Area Number |
15K18445
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
入口 翔一 京都大学, iPS細胞研究所, 特定研究員 (50737442)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | iPS細胞 / がん免疫細胞療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はT-iPSCテクノロジーと、遺伝子操作技術を用いて、腫瘍微小環境内の免疫細胞を再活性化させる事による新規がん免疫療法開発のための基礎研究を確立することが目的である。本年度は、新規がん抗原特異的ヘルパーT-iPS細胞の樹立と再分化誘導を通じて作成した再分化T細胞の免疫不全マウス内での抗腫瘍効果の評価と前年度に樹立したiNKT細胞由来iPS細胞(iNKT-iPS)から作成した再分化T細胞の体内動態解析を行った。 初めにがん抗原特異的ヘルパーT細胞クローンを樹立後、初期化を行うことでT-iPS細胞株を複数クローン作成した。得られたT-iPS細胞株のT細胞分化能を検討後、2株を選択し、その後成熟T細胞へと分化誘導を行った。作成した細胞は前年度に樹立したiNKT-iPS再分化T細胞と同様に、in vitroにて抗原特異的なヘルパーT細胞機能共に高いIFNγ産生能を有していた。引き続き、増殖させた再分化ヘルパーT細胞様細胞を担がん免疫不全マウスに移植がん細胞株特異的キラーT細胞と共に移入する事で、生体内のヘルパー機能を評価した。その結果、移入したヘルパーT細胞様細胞はマウスの体内で共に移入したキラーT細胞の抗腫瘍能を増幅させることが分かった。以上の成果は現在、論文にまとめて投稿中である。 また、前年度に樹立したiNKT細胞由来T細胞を再分化誘導して免疫不全マウスに経静脈的に移入し、体内動態の評価を実施した。その結果、移入した細胞は移植後早期に消失することが分かった。以上の結果はT-iPS細胞技術を用いることで、ヘルパー機能と高いIFNγ産生能を有するT細胞作成が可能であることを示唆している。一方で、再分化T細胞の生体内の生存能を向上させるためには、更なる分化誘導系の改善と免疫不全マウスの移植系の最適化が今後の課題となることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)