2017 Fiscal Year Annual Research Report
Novel therapeutic strategy for sarcomas by targeting PPRX1 positive cancer stem-like cells
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15K18449
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山田 大祐 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (50733680)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 肺がん / がん幹細胞 / セマフォリン / クロストーク |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度は、肺がんにおけるセマフォリン3Aのがん遺伝子としての機能を詳細に解析したが、今年度はセマフォリン3Aと他のセマフォリンシグナルとのクロストークの可能性についての検討を行った。セマフォリン3A、あるいはその受容体であるPlexinA1を肺がん細胞株であるLewis Lung Carcinoma (LLC)においてノックダウンさせると増殖性の低下が生じるが、それと同時にセマフォリン6Bの発現が低下することが判明した。さらに、セマフォリン6Bの添加によって増殖性が部分的に回復したことから、セマフォリン3Aはセマフォリン6Bを介して肺がん細胞の増殖性を制御している可能性が考えられた。そこで、肺がんにおけるセマフォリン6Bの機能を解析するために、LLCにおいてセマフォリン6Bのノックダウン実験を行った。その結果、増殖能の低下と腫瘍形成能の消失が観察された。興味深いことに、セマフォリン6Bをノックダウンさせた細胞は、EGFR阻害剤であるゲフィチニブやエルロチニブに対して抵抗性を示すことも明らかになった。また、浮遊培養によって樹立したLLC由来がん細胞株において、セマフォリン6Bのノックダウンを行った結果、自己複製能の消失が観察された。さらに、セマフォリン6Bを添加しても自己複製能の消失が回復しなかったことから、肺がん幹細胞を向上的に維持するためにはセマフォリン6Bが必須であることが明らかとなった。以上の結果から、セマフォリン6Bが肺がん治療の新規標的分子となる可能性が見出された。
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