2015 Fiscal Year Research-status Report
細胞内タンパク質ネットワーク動態の定量的モニタリングテクノロジー
Project/Area Number |
15K18466
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
谷内江 望 東京大学, 先端科学技術研究センター, 准教授 (60636801)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | タンパク質間相互作用 / DNAバーコード / 次世代DNAシークエンサー / インタラクトーム |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでカナダ・トロント大学、マウントシナイ病院、米国・ハーバード大学の研究チームらとの国際共同研究により、生体内のタンパク質相互作用情報を大量に同定できる「BFG-Y2H法」を開発してきた。2015年度は本手法を利用して様々なヒトタンパク質相互作用情報のスクリーニングを行い、最低でもヒトの250万のタンパク質ペアについて数週間で一人の研究者が高品質のタンパク質ネットワーク情報を得られることを実証した。本手法から得られるタンパク質ネットワーク情報は既知のタンパク質相互作用情報をよく再捕捉し、既存のY2H法から得られる情報とも同程度の品質を保つことが示された。それぞれのタンパク質ペアについて次世代DNAシークエンシングによって数え上げられたフュージョンバーコードの数はヒトの培養細胞を用いた別のタンパク質相互作用同定法のシグナル値や立体構造における相互作用面の大きさと有意な相関があることが示された。また腫瘍ウィルスがターゲットとするヒトタンパク質やがん関連タンパク質の形成するタンパク質ネットワークをスクリーニングした結果、腫瘍ウィルスがターゲットとするタンパク質群は互いに複合体を形成する傾向にあることなどが明らかになった。 以上の成果はMolecular Systems Biology誌に掲載予定である。 Nozomu Yachie (*) et al (2016) Pooled-matrix protein interaction screens using Barcode Fusion Genetics. Molecular Systems Biology, Vol 12, Number 4 (*) Corresponding authors
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
BFG-Y2H法について手法の高い有効性、拡張性、精度について示すことができ、成果を論文発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2015年度はカナダLaval大学のChristian Landry教授がサバティカル研究機関中に当研究室に滞在した。Landry博士の滞在期間中はPCA法をBFG-Y2H法に応用したBFG-PCA法について議論を進め、具体的に赤色蛍光タンパク質であるVenusおよびジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)を再構成するPCA法を利用して大規模なタンパク質複合体の進化を議論するための研究計画を作った。 2016年度よりLandry博士の研究室と当研究室では、当初の研究計画をさらに発展させてヒト、ショウジョウバエ、線虫、出芽酵母、分裂酵母の核膜孔およびプロテアソームを構成するタンパク質群について全生物種間のタンパク質相互作用をBFG-Y2H法およびBFG-PCA法によって同定し、種間を超えて複合体を形成して機能を実現できるタンパク質とその進化について議論する研究を進める。 東京大学 谷内江研究室 http://yachie-lab.org Laval University Landry Laboratory http://landrylab.ibis.ulaval.ca
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Pooled-matrix protein interaction screens using Barcode Fusion Genetics2016
Author(s)
Yachie N, Petsalaki E, Mellor JC, Weile J, Jacob Y, Verby M, Ozturk SB, Li S, Cote AG, Mosca R, Knapp JJ, Ko M, Yu A, Gebbia M, Sahni N, Yi S, Tyagi T, Sheykhkarimli D, Roth JF, Wong C, Musa L, Snider J, Liu Y-C, Yu H, Braun P, Stagljar I, Hao T, Calderwood MA, Pelletier L, Aloy P, Hill DE, Vidal M & Roth FP
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Journal Title
Molecular Systems Biology
Volume: 12
Pages: TBA
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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