2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of new analysis of protein dynamics as studied by MD-NSE
Project/Area Number |
15K18515
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井上 倫太郎 京都大学, 原子炉実験所, 准教授 (80563840)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 中性子散乱 / スピンエコー法 / MDシミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度においては制限分解酵素EcoO109Iによる全原子シミュレーションをGromacsを用いて行い、そこから得られたtarjectoryを用いて小角散乱領域の構造及び中間散乱関数を計算した。その結果、回転拡散のみならず内部運動の寄与が確認された。平成28年度においては実際にEcoO109Iに対して中性子スピンエコー測定を適用し、MDシミュレーションから予測された運動が実際に観測できるかの検証を行った。測定はフランスの中性子散乱施設であるラウエランジュバン研究所 (ILL) に設置されているスピンエコー分光器であるIN15を用いて行った。得られた中間散乱関数に対してキュムラント解析を行い、そのinitial decayを散乱ベクトル (Q)の二乗であるQ2で割ることで得られる拡散定数のQ依存性 (D(Q))の評価を行った。その結果、D(Q)に対して明確なQ依存性を示した。この実測データから得られたD(Q)を解釈するために動的光散乱測定 (DLS) の結果及び、MDシミュレーションから得られたD(Q)との比較を行った。実測のD(Q)に対してQ依存性を示さないDLSから見積もられる並進拡散定数 (Dt)を差し引いた後でもD(Q)_Dtは明確なQ依存性を示した。興味深い事にMDシミュレーションから評価可能な回転拡散及び内部運動由来のD(Q)-Dtと良い一致を示した。つまり、実測で得られたD(Q)_Dtは回転拡散と内部運動由来であると推察される。しかしながら、回転拡散のみからのD(Q)-Dtは実測データをうまく表現できなかったことから中性子スピンエコー法で確かにEcoO109Iの内部運動を捕らえることが出来たことを示している。主成分解析と組み合わした最終的な解析を進めている。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] New insight into the dynamical system of alpha B-crystallin oligomers2016
Author(s)
R. Inoue, T. Takata, N. Fujii, K. Ishii, S. Uchiyama, N. Sato, Y. Oba, K. Wood, K. Kato, N. Fujii, and M. Sugiyama
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 6
Pages: 29208-1-7
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Structural characterization of the circadian clock protein complex composed of KaiB and KaiC by inverse contrast-matching small-angle neutron scattering2016
Author(s)
M. Sugiyama, H. Yagi, K. Ishii, L. Porcar, A. Martel, K. Oyama, M. Noda, Y. Yunoki, R. Murakami, R. Inoue, N. Sato, Y. Oba, K. Terauchi, S. Uchiyama, and K. Kato
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 6
Pages: 35567-1-7
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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