2015 Fiscal Year Research-status Report
新規分裂制御因子LUZP1の細胞分裂期における機能解析
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15K18528
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
兵頭 寿典 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (40710645)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 細胞分裂 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は細胞分裂に関与する新規タンパク質を同定するためsiRNAを用いたスクリーニングを行い、その結果LUZP1(Leucine Zipper Protein 1)と呼ばれるタンパク質を見出した。LUZP1はこれまでにその細胞内における機能が全く分かっていないタンパク質である。申請者は平成27年度にLUZP1の細胞分裂期における機能を明らかにするための解析を行い、以下のようなことを明らかにした。 LUZP1が細胞分裂のどの段階に関与するかを、共焦点顕微鏡のタイムラプス機能を用いて詳細に解析した。その結果、正常細胞と比べ、LUZP1発現抑制細胞、LUZP1過剰発現細胞では細胞分裂の特定時期に異常が見られることを突き止めた。またLUZP1の各種欠損変異株を用いることで、その異常がLUZP1のどの部位を欠損させることによって起きるのかを明らかにした。 また事前実験より見出したLUZP1に結合するキナーゼが、LUZP1とどのような関係にあるかの検討を行った。具体的にはキナーゼがLUZP1をリン酸化するか、またキナーゼの活性がLUZP1の存在で変化するかをキナーゼアッセイにより検討した。その結果LUZP1はそのキナーゼによりリン酸化されることを新たに見出し、またLUZP1の存在によりキナーゼ活性が変化することも明らかにした。さらにそのキナーゼが細胞分裂に関与するかに関しても前述した顕微鏡のタイムラプス機能を用いて解析を行い、LUZP1の場合と同様の異常が同一時期に生じることを見出した。以上の結果よりLUZP1が細胞分裂に関わる新規タンパク質であることを証明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請者は27年度の計画書でLUZP1が細胞分裂のどの時期に働いているかを明らかにすること、LUZP1とそれに結合するキナーゼとの詳細な関係を明らかにすることを目的とした。上述した研究業績の概要から27年度におけるLUZP1の細胞分裂期における機能解析の研究はほぼ計画通りに運ぶことができたといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度の研究計画はほぼ計画通りに進めることができたため、28年度計画に関して大きな変更は必要ない。ただしLUZP1の細胞分裂期におけるより詳細な機能を明らかにするため、LUZP1の間期における機能解析も行う必要があると考えている。そこで27年度の解析で用いた各種欠損LUZP1変異株を用いてLUZP1の間期における機能を明らかにする試みも行っていく予定である。
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