2015 Fiscal Year Research-status Report
長鎖非コードRNAは如何に転写因子を制御するか:実生時ストレス応答機構をモデルに
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15K18550
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
木下 奈都子 筑波大学, 生命環境系, 助教 (80716879)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 非コードRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、塩・乾燥等の環境ストレス応答において新規なストレス応答メカニズムを見出す事を目的とし、非コードRNA に着目した。非コードRNAには、大きく分けて低分子RNAと長鎖非コードRNAが存在する。長鎖非コードRNAには、タンパク質をコードするmRNAに対してアンチセンス型、センス型がある。さらに、タンパク質をコードする従来の遺伝子と重複しない長鎖非コードRNA が存在する。本課題では、環境ストレス誘導型長鎖非コードRNA に着目し、その発現パターンと下流候補遺伝子の発現パターンの解析を行った。機能解析においては、実生時におけるストレス依存性生長抑制機構をモデルとして用いた。この時期は、植物が従属栄養から独立栄養へと移行する時期であり、植物のライフサイクルの中で最も環境ストレスに弱い時期の一つである。実生がこの時期に環境ストレスに遭遇すると生長を抑制し、ストレス耐性を獲得する。この過程で長鎖非コードRNAが機能しているのかについても解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新しい環境での研究室の立ち上げと実験のセットアップに手間取った。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、ファージ由来の長鎖非コードRNAとそのRNAに対して高い特異性をもって結合するタンパク質を利用した生きた細胞内でRNAの局在性を観察するツールを発展させ、RNA長鎖非コードRNAの細胞内局在性に関するデータを固めて、投稿論文を仕上げる。この際、定量的なデータ解析も併せて行う。
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Causes of Carryover |
新しい環境での実験のセットアップに時間がかかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度ではさらに物品費を費やして、研究環境を改善する。これまでの結果をまとめて国内や国際学会で発表する。
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Research Products
(3 results)