2018 Fiscal Year Annual Research Report
Noncoding RNA regulation of transcription factor: early seedling stress response as an example
Project/Area Number |
15K18550
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
木下 奈都子 筑波大学, 生命環境系, 助教 (80716879)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 非コードRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
非コードRNAであるNPC60は高塩濃度ストレス、高浸透圧や乾燥などに応答して顕著に発現レベルが上昇することがわかった。さらに、これらの環境ストレスを含む非生物ストレス応答で中心的な役割を担う植物ホルモンであるアブシジン酸に対して応答することがわかった。特に、NPC60は実生時のアブシジン酸に対する応答で機能していることを示唆することができた。実生時は種子中の栄養分に依存した従属栄養から、光合成による独立栄養に変化する成長段階である。この栄養システムの転換時に実生が環境ストレスにさらされるとアブシジン酸依存的に成長が抑制され、乾燥種子様のストレス耐性機構を利用してストレス耐性を獲得する。この実生時の乾燥ストレス耐性メカニズムにNPC60が関与していることを示すことができた。実生時の水ストレス耐性メカニズムは進化的に保存されているため、NPC60の種間保存性とその機能は今後の課題である。 アブシジン酸は環境ストレスのみでなく生物ストレスにおいても重要な役割を担っていることがわかってきた。本研究では、まず経時的に組織レベルでの応答を検知して定量化できる実験系の構築を行った。これまで、非侵襲的な方法で蛍光シグナルを定量する方法は、動かない検体や細胞レベルに限られていた。本研究では、物理的に固定するストレスを軽減した形で解析できるシステムを見出した。これには、植物の輪郭を自家蛍光で認識することを利用し、これに目的とする蛍光シグナルを重ね合わせることで実現した。物理的な固定によるストレスに軽減した計測法と、定量化・経時解析を組み合わせることで、高感度に生物ストレス応答を検知することができる。さらに、輪郭を自動で認識することによってヒューマンエラーを削減することもできる。今後このシステムを利用してNPC60のノックアウトや過剰発現系統を利用して解析を進める予定である。
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