2017 Fiscal Year Annual Research Report
Functional analysis of GLES1 essential for chloroplast development in guard cells
Project/Area Number |
15K18556
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
祢宜 淳太郎 九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (70529099)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 気孔 / 葉緑体 / 脂質代謝 / CO2 |
Outline of Annual Research Achievements |
気孔の孔辺細胞には葉緑体が存在するが、その機能や形成メカニズムに関しては不明な点が多い。gles1 (green less stomata 1)変異体は葉肉細胞の葉緑体形成は正常だが、孔辺細胞の葉緑体形成が損なわれた変異体として単離され、CO2に対する気孔応答性も低下していた。この変異体の原因遺伝子は葉緑体の包膜に存在する脂質輸送体の一部をコードしていた。チラコイド膜に含まれる脂質は葉緑体形成に必須であり、葉緑体内で作られる原核型と、小胞体を経由して作られる真核型の2つの脂質代謝経路を介して合成される。この輸送体は、真核型経路における小胞体から葉緑体への脂質輸送を担っており、gles1変異により、真核型経路由来の葉緑体脂質含量が低下していた。また脂質輸送体の他のサブユニットに変異を持つ植物もgles1変異体と同様に気孔葉緑体形成に異常があったことから、気孔の葉緑体形成には真核型経路由来の葉緑体脂質が必須であることが分かった。気孔葉緑体形成と脂質との関係を明らかにするため、質量分析計を用いた孔辺細胞及び葉肉細胞の脂質プロファイリングをおこなった。その結果、孔辺細胞は葉肉細胞と比較して原核型の脂質代謝経路が退化しており、真核型の脂質代謝経路が発達しているというユニークな脂質代謝特性を示すことを明らかにした。孔辺細胞では原核型の脂質代謝経路が低下している分、真核型経路を介して作られる葉緑体脂質が、気孔葉緑体形成には欠かせないと考えられる。
|
Research Products
(8 results)