2017 Fiscal Year Annual Research Report
Understanding the mechanisms by which Ctf4 protein promotes proper repair of DSBs formed upon inhibition of rDNA replication
Project/Area Number |
15K18581
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐々木 真理子 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教 (50722013)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Ctf4 / 複製阻害 / DNA二重鎖切断 / ゲノム再編成 |
Outline of Annual Research Achievements |
DNA複製装置の進行が阻害されると、DNA二重鎖切断(DNA double-strand break, DSB)が生じる。DSBはゲノム再編成を誘導し、癌や多くの疾患の原因となることから正確に修復されなければならない。しかし、複製阻害時のDSB修復機構についてはまだ十分に理解されていない。 出芽酵母のリボソームRNA遺伝子(rDNA)は、約150個のrDNA配列が連なった領域である。さらにこの領域では、複製阻害点において高頻度で複製阻害が起きDSBが生じることが知られていた。しかし、この修復機構については不明であった。そこで申請者は、rDNAをモデル領域とし複製阻害時のDSB修復機構を明らかにすることを目指した。 先行研究において、複製装置の構成因子であるCtf4タンパク質が欠損するとrDNAの異常な増幅が起こることを明らかにした(Saka et al., Nucleic Acids Reserach 2016)。このrDNA過剰増幅は、DSB修復異常によって起こる可能性が考えられたためctf4変異体解析を行った。すると、ctf4変異体では、野生型では見られない異常なDNA分子が検出された。このDNA分子を同定したところ、これはDSB末端の片方の鎖が削られた分子であり、相同組換えによるDSB修復において形成される重要な中間体であることが判明した。そしてこの分子が野生型ではほとんど形成されていなかったことから、Ctf4タンパク質は複製阻害時のDSBが削り込みを受けて相同組換えによって修復されることを抑制する役割があることを明らかにした。これらの研究成果を、論文としてまとめ発表した(Sasaki and Kobayashi, Molecular Cell 2017)。
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