2017 Fiscal Year Research-status Report
セミの抜け殻から集団構造と大発生のメカニズムを探る
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15K18603
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
神戸 崇 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 専門研究員 (40648739)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | セミ / 発生量 / 脱皮殻 / マイクロサテライト |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度と同様に3地点の調査地内の広葉樹林と針葉樹林(計6カ所)で春にエゾハルゼミ、夏にコエゾゼミの脱皮殻の採集と発生量の調査を行った。このうち1カ所で両種の発生量が昨年より増加したが、そのほかの林では昨年と同程度で、今年もコエゾゼミの発生量は少なかった。DNA用のサンプルは、エゾハルゼミは5カ所でそれぞれ30個体以上を採集できたが、コエゾゼミは1カ所以外、十分なサンプルサイズが得られなかった。引き続き、地温のデータを測定中である。 昨年度設計したエゾハルゼミのマイクロサテライトのプライマーからまだ試していない10セットについて、セミ成虫より抽出したDNAを用いてPCR増幅の条件検討と多型の確認を行った。その結果新たに2遺伝子座で多型が確認でき、合計8遺伝子座が集団遺伝学的解析に使用できるようになった。 セミの脱皮殻から抽出したDNAの量を増やすために全ゲノム増幅を試みたが、マイクロサテライトのPCR増幅は改善しなかった。そのため、より多くのセミDNAを得られるようにサンプリング方法や抽出方法を改良した。PCRの条件・方法にも改良を加えることで、小型の種であるエゾハルゼミでも状態の良いサンプルでは、複数のマイクロサテライト遺伝子座で安定してPCR増幅させることができるようになった。本年度はこの改良した方法で上記のサンプリングを行った。十分なサンプルサイズが得られたエゾハルゼミについてはDNA抽出とマイクロサテライトの遺伝子型決定を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
脱皮殻から抽出したDNAからマイクロサテライトを安定してPCR増幅させるため、DNA抽出法やPCRの条件の検討に時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
春から夏にかけては昨年度と同様に定点調査地でエゾハルゼミとコエゾゼミの脱皮殻の採集と発生量調査を行う。可能なら、他の地域でも脱皮殻の採集を行う。脱皮殻サンプルからのDNA抽出とマイクロサテライトの遺伝子型決定を進め、成果を学会で発表する。
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Causes of Carryover |
(理由)DNA抽出やPCR増幅の方法・条件の検討に時間を要し、全サンプルの解析に進めなかったため。 (使用計画)DNA抽出やプライマー合成、PCR、電気泳動などに必要な消耗品の購入や、研究成果の発表のための学会参加費や論文投稿料等に使用する。
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