2015 Fiscal Year Research-status Report
高温登熟による胴割れ米発生に対する分子育種的解決策の開発
Project/Area Number |
15K18628
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
大西 孝幸 宇都宮大学, 地域連携教育研究センター, 准教授 (60722311)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | イネ / オルガネラゲノム / 胴割れ米 |
Outline of Annual Research Achievements |
地球温暖化による夏季の異常高温が,胴割れ米を誘発し,コメの品質低下を引き起こしている.胴割れ米の発生低減にむけた対策の多くは,栽培方法や籾米の保存方法の見直しといった応急的な処置であり,より効果の高い根治的解決策が切望されている.これまでの研究から,申請者は胴割れ米の発生にオルガネラゲノムが関与し,オルガネラゲノムの置換によって胴割れ米の発生が抑制できることを明らかにした(未発表).本年度は,イネのオルガネラゲノムの遺伝的多様性を明らかにする目的で,イネのオルガネラゲノムを次世代シークエンサーを用いて,解読を行った.最初に Illumina の MiSeq を用いたゲノム解読を試みたが,これによって得られるショートリードデータだけではゲノム配列の解明が困難であったため,ロングリードデータが得る目的で PacBio R2 によるゲノム解読を実施した.得られた大規模データを材料に,さまざまな解析ソフトを使用して,イネのオルガネラゲノムの高精度解読を目指している.本研究の更なる進展によって,オルガネラゲノムを対象とした育種の可能性も提示したい.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究室の異動があり,研究活動の円滑な実施が困難な時期もあったが,次世代シークエンサーデータの解析を進めることで,状況に応じた研究の進展が達成できた.今後は,さまざまな実験活動を順次再開していきたい.
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Strategy for Future Research Activity |
次世代シークエンサーデータの解析を完了させ,イネのオルガネラゲノムの構造を明らかにするとともに,その多様性に対する理解を深めたい.また,胴割れ米の発生機序に対して分子遺伝学的に迫りたい.
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Causes of Carryover |
研究室の異動があり,研究活動を一時的に停止する必要があったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
予定していた研究内容を順次実施していきます.
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Research Products
(1 results)
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[Presentation] イネのオルガネラゲノムのリシーケンス2015
Author(s)
大西 孝幸, 高松 壮, 及川 和聡, 猪俣 拓也, 田中 啓介, 古海 弘康, 倉田 のり, 小林 久人, 三ツ井 敏明, 木下 哲
Organizer
日本育種学会
Place of Presentation
新潟大学
Year and Date
2015-09-11 – 2015-09-13