2016 Fiscal Year Annual Research Report
Revealing the mechanisms of nutrient status dependent Plant growth promotion effects by endophytic Colletotrichum species
Project/Area Number |
15K18645
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
晝間 敬 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (20714504)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 内生糸状菌 / リン欠乏 / Colletotorichum / PHR1 / 根 / シロイヌナズナ / 植物生長促進 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物は、自然界において多種多様な微生物と相互作用している。その中には、植物生長を促すものや病害虫等から植物を守る役割を担う共棲微生物も存在している。一方で、貧栄養などのストレス条件下でこれら共棲微生物の感染を制御しその共生効果を最適化する植物の分子機構は明らかではない。
研究者は、野外の生育するシロイヌナズナから分離された糸状菌Colletotrichum tofieldiae (以下Ct)がシロイヌナズナなどのアブラナ科植物の根に病気を引き起こすことなく感染することを明らかにした。リン欠乏条件下においては宿主植物の生長を促すことを発見した。放射性同位体を用いた実験により、Ctがリン欠乏時にリン酸を宿主に輸送し供給することを発見した。以上の成果は原著論文にて報告済みである(Hiruma et al., Cell 2016)。 さらに、Ct感染時の様々な変異体下でのトランスクリプトーム解析や表現型解析から、リン欠乏条件でリン酸応答を制御する転写因子PHR1(と一部そのパラログPHL1)が共生関係樹立時(感染後期)において、Ct感染により有意に変動する遺伝子群の8割以上をも制御すること、及び、Ctによる生長促進効果に必要であることを発見している。特に、PHR1とPHL1は防御関連応答に関与する遺伝子群も制御しており、Ctの根における感染を制御していることが伺えた。
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