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2016 Fiscal Year Research-status Report

新規D-アミノ酸分析法のためのD-アミノ酸酸化還元酵素のメタエンザイム的探索

Research Project

Project/Area Number 15K18684
Research InstitutionAkita Prefectural University

Principal Investigator

牟田口 祐太  秋田県立大学, 生物資源科学部, 助教 (30724314)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2019-03-31
KeywordsD-アミノ酸 / 好熱菌 / 脱水素酵素 / 酸化酵素
Outline of Annual Research Achievements

平成28年度は、秋田県鹿角市の後生掛温泉の3カ所(採取場所①~③)、同市の蒸ノ湯温泉の3カ所(採取場所④~⑥)の計6カ所で、温泉土壌を採取した。採取時の土壌の温度はいずれも43~70℃で、pHは2.6~3.9であった。
続いて、これらの温泉土壌を脱脂綿でろ過して砂泥を除き、培地に添加した。そして、50℃で振盪培養を行い、12時間毎にOD660を測定することで菌の増殖を観察した。本研究では、温泉土壌から多様な好熱菌を得るため、培地の炭素源・窒素源(CN源)濃度とpH条件を検討した。細菌・真菌の培養に用いられるTSB培地を参考に、培地を構成する要素を、CN源、リン酸水溶液、無機塩類の3つに分け、各構成要素を調節することで、3つのCN源濃度(1×、1/10×、1/100×濃度)と3つのpH(pH 2.0、4.5、7.0)を組み合わせた計9つの培地条件を検討した。結果として、採取場所③のサンプルからは1/10×CN源濃度・pH 4.5の培地で菌の増殖を確認した。また、採取場所④のサンプルからは1×CN源濃度・pH 4.5の培地と1/10×CN源・pH 4.5及びpH 2.0の培地の計3つの培地条件で菌の増殖を確認した。採取場所⑤と⑥のサンプルからは、1×CN源濃度・pH 4.5及びpH 7.0の培地と1/10×CN源濃度・pH 4.5の培地の計3つの培地条件で菌の増殖を確認した。
さらに、上記した採取場所と培養条件が異なる11種類の菌群を1 Lスケールで培養後、菌体をビーズショッカーにて破砕し、粗酵素液を得た。それぞれの粗酵素液を活性染色に供し、D-アスパラギン酸及びD-セリンを含む12種類のD-アミノ酸を基質とした脱水素酵素・酸化酵素の活性をスクリーニングした。しかしながら、D-アミノ酸に特異的な酵素活性は検出できなかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

これまでに秋田県内3カ所の温泉から温泉水または温泉土壌を採取し、それらをスターターとした高温培養を行うことで、栄養源濃度、pHを変えた種々の培地条件において50℃で生育する13種類の菌群を得ることに成功した。平成27年度は温泉水・土壌をスターターとした好熱菌の培地条件の設定に期間を要したが、平成28年度は前年度に確立した培地条件を再現性良く調製できるよう培地組成を改良し、それらの培地を用いることで、前年度よりも多種多様な培地条件で生育する菌群を得ることに成功した。そして、得られた菌体の無細胞抽出液を調製し、活性染色法を用いてD-アミノ酸を基質とする脱水素酵素・酸化酵素活性のスクリーニングを実施してきた。しかしながら、平成28年度までに目的酵素の活性は検出できていない。一方で、酵素活性ではなく遺伝子工学的手法を用いてD-アミノ酸脱水素酵素・酸化酵素を探索するため、調製した無細胞抽出液からゲノムDNAをそれぞれ調製し、保存している。現在のところ、目的のD-アミノ酸酸化還元酵素を見出すには至っていない為、研究の進行具合はやや遅れていると判断する。しかし、これまでに確立した高温環境からの効率的な菌培養法を用いることで、より多様な好熱性菌群を獲得し、酵素活性だけでなく遺伝子工学的手法を用いることにより、本研究の目標達成を目指す。

Strategy for Future Research Activity

平成28年度は秋田県小安峡温泉・泥湯温泉・川原毛地獄等の高温環境から温泉水・土壌を採取し、好熱菌の培養及びD-アミノ酸酸化還元酵素のスクリーニングを行う。D-アミノ酸脱水素酵素やD-アミノ酸酸化酵素は細菌においてD-アミノ酸の資化に関与していることが報告されている。そこで、炭素源または窒素源となる物質をD-アミノ酸に限定した培地を用いることで、D-アミノ酸を資化できる好熱菌の選択的な培養を試み、D-アミノ酸脱水素酵素・酸酸化酵素のスクリーニングの効率化を図る。また、酵素活性を検出する活性染色法に加え、培養に成功した好熱菌から抽出したゲノムDNAと、既知のD-アミノ酸酸化還元酵素のアミノ酸配列に基づいて設計した縮重プライマーを用いたメタゲノム的手法によって、好熱菌由来のD-アミノ酸酸化還元酵素のスクリーニングを行う。

  • Research Products

    (2 results)

All 2016

All Presentation (1 results) Book (1 results)

  • [Presentation] 新規アミノ酸ラセマーゼ, イソロイシン 2-エピメラーゼの構造解析2016

    • Author(s)
      林順司, 牟田口祐太, 大森勇門, 大島敏久, 櫻庭春彦
    • Organizer
      第68回日本ビタミン学会
    • Place of Presentation
      富山国際会議場(富山県富山市)
    • Year and Date
      2016-06-17
  • [Book] D-Amino Acids2016

    • Author(s)
      Yuta Mutaguchi, Jyunpei Kobayashi, Tadao Oikawa, and Toshihisa Ohshima
    • Total Pages
      15
    • Publisher
      Springer

URL: 

Published: 2018-01-16  

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