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2015 Fiscal Year Research-status Report

アミノ糖や構造的不安定性を有すオリゴ糖がメイラード反応に与える影響の網羅的解析

Research Project

Project/Area Number 15K18705
Research InstitutionNippon Veterinary and Life Science University

Principal Investigator

知久 和寛  日本獣医生命科学大学, 公私立大学の部局等, 助教 (30711618)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2017-03-31
Keywordsメイラード反応 / アミノ糖 / グルコサミン / オリゴ糖 / 熱分解
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、近年機能性食品素材として注目されているアミノ糖やオリゴ糖が化学的・生物学的メイラード反応により引き起こされる影響を網羅的に解析していくことである。
グルコサミンやN-アセチルグルコサミンなどのアミノ糖誘導体とトレハロース、コージビオース、ニゲロース、マルトース、イソマルトースなどのグルコ二糖を基質として用い、それぞれpH 7.5の中性付近に調整したリン酸緩衝液中で90℃に加熱した。得られた反応液を順相HPLC分析に供することでそれぞれの糖を定量し、分解反応の初速と見かけの半減期を算出した。
一般に糖は中性領域では安定であると思われているが、グルコサミンは上述した反応条件において半減期が10分と著しく不安定であった。グルコサミンの2位のアミノ基がアセチル化されたN-アセチルグルコサミンは比較的安定であり、半減期は約40倍長くなった。さらにグルコサミンの分解産物をLCMSMS分析に供して結果、グルコサミン2分子重合体とその2脱水素物さらにその1脱水物相当する3つのプロトン付加分子が観測された。これら反応産物の経時変化を調べた結果、2分子重合体は反応初期に見られ、熱処理時間経過とともに減少していった。2分子重合体の2脱水素物は2分子重合体の減少と共に生成され、遅れてその1脱水物の生成が見られた。以上の結果より、グルコサミンの分解メカニズムは、2分子重合体→2脱水素物→1脱水物相当の順に生成していると考えられる。
さらに、オリゴ糖についても同様に半減期の算出を行った。還元末端が遊離していないトレハロースは、上述した反応条件において3時間加熱した後も分解が確認されなかった。また、コージビオース、イソマルトース、マルトース、ニゲロースの順で熱分解速度は上昇していき、それぞれの見かけの半減期は約13時間、5.5時間、3.6時間、2.4時間であった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

各種アミノ糖やオリゴ糖の熱分解に伴うHPLCプロファイル、動力学的パラメータの取得が完了している。主要な反応生成物を化学構造が未知と予想されるものを中心に単離精製を行っており、そのいくらかについてはNMR分析を行い、化学構造を解析中である。したがって、当初計画通りに研究が進行していると考える。

Strategy for Future Research Activity

引き続き研究計画に沿って、アミノ糖やオリゴ糖のメイラード反応産物の解析を行っていく。最も単純なアミンであるアンモニウム塩やアミノ酸やタンパク質牛血清アルブミンを、アミノ糖やオリゴ糖と共に添加し加熱した際に生じる反応生成物を解析し、メイラード反応の中期・後期に生成する主要な分子を同定する。これまで得られた研究データをもとに、メイラード反応産物の生体内での分子動態について解析する。

Causes of Carryover

当初予定していた核磁気共鳴装置による分析費用を分析機関との共同研究にすることで削減できたため、未使用額が生じた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

昨年度未使用額は、現在各研究項目の進捗を律速している反応生成物の単離精製操作を効率化させるため、分取用の大型カラムや関連器具類の購入に使用する予定である。

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Published: 2017-01-06  

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