2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K18706
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Research Institution | Toyama Prefectural Institute. for Pharmaceutical Research. |
Principal Investigator |
柳橋 努 富山県薬事研究所, 研究員 (60710887)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | IgA / ビタミンA |
Outline of Annual Research Achievements |
1. ビタミンAによるIL-5産生ILC2調節機構の解析:a) 通常マウス及びビタミンA欠乏マウスの大腸における、ILC2調節因子の発現量を比較したところ、ビタミンA欠乏マウスにおいてIL-33の発現が有意に低下していた。b) 定常状態のIL-5産生ILC2制御におけるIL-33の機能を解析するため、抗IL-33受容体抗体を野生型マウスに投与したが、大腸IL-5発現に影響はなかった。一方、同抗体をTCRα欠損マウスに投与したところ、大腸IL-5発現の減少が認められた。c) IL-5レポーターマウスの大腸より分画したIL-5産生ILC2を用い、同細胞にレチノイン酸受容体及びレチノイン酸X受容体が発現していることを確認した。レチノイン酸がIL-5産生ILC2に直接作用するか否かについては今後検討する。 2. IL-5産生ILC2の大腸IgA調節機構の解析: 野生型マウス及びIL-5欠損マウスの糞便中IgA、大腸IgA陽性細胞数を比較したところ、それぞれ両マウスに差が認められなかった。一方、TCRα欠損マウスに比べ、TCRα・IL-5二重欠損マウスの糞便中IgAは有意に減少していた。よって、IL-5がT細胞非依存性IgA産生において機能していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は、①ビタミンAがIL-33を介しILC2のIL-5産生を調節している可能性を示した、②IL-5産生ILC2がT細胞非依存性IgA産生において機能していることを示したことから、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
1. ビタミンA代謝物であるレチノイン酸が直接IL-5産生ILC2へ作用する可能性を検証するため、大腸より分画したIL-5産生ILC2をレチノイン酸で刺激し、IL-5産生が誘導されるか否かを解析する。 2. T細胞非依存性IgA産生における好酸球の機能を解析するため、TCRα欠損マウス及びTCRα・好酸球二重欠損マウスを用い、糞便中IgA、大腸IgA陽性細胞数について解析する。 3. IL-5産生ILC2が制御するT細胞非依存性IgAの生理的意義を明らかにするため、TCRα欠損マウス及びTCRα・IL-5二重欠損マウスの腸内細菌叢を解析する。
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Research Products
(1 results)