2015 Fiscal Year Research-status Report
根圏呼吸の定量化を目指して:樹木細根ー菌根菌間相互作用の実態と機能解明
Project/Area Number |
15K18719
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
牧田 直樹 国立研究開発法人 森林総合研究所, 関西支所, 特別研究員(PD) (40723086)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 樹木細根 / 菌根菌 / 分子系統解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、樹木細根‐菌根菌相互作用の実態と機能を解明するため、亜寒帯気候の森林において、課題1)菌根菌における遺伝子ライブラリーの作成、課題2)細根生理特性に影響を及ぼす菌根菌の探索と根圏呼吸の定量化、課題3)菌根相利共生が根圏呼吸及び森林炭素動態に与える影響の検証、を進める。 本年度は、亜寒帯林の調査地において優占する成木樹種を対象に菌根調査を行った。まず、調査地から根系を丁寧に採取し、外観から非菌根と菌根に大別した。次に、菌根の菌鞘表面などの形態的特徴を光学顕微鏡観察によって識別し、形態類別を行った。また、類別した菌根タイプのDNAを抽出し、個別のDNA塩基配列を決定した。DNA塩基配列と分類群との対応関係から分子系統解析の基礎情報となる遺伝子ライブラリーを作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
菌根菌における遺伝子ライブラリーの作成を行うため、試験地における菌根菌のDNA抽出を行い、遺伝子解析のための基礎情報の整理を実施し、予定した内容が概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
菌根菌感染率・種組成の把握と細根系の根圏呼吸速度の野外観測を行う。さらに、菌根相利共生が根圏呼吸及び森林炭素動態に与える影響の検証を行うため、樹木細根-菌根菌の関連性のパターンを把握する。
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Causes of Carryover |
助成金額が減額となり、目的の測器を購入できなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の予算と合わせて、目的の測器の購入を行う予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] フィンランド亜寒帯林における細根と菌根菌の機能的な関わり2016
Author(s)
牧田直樹, Jussi Heinonsalo, Jukka Pumpanen, Jaana Leppälammi-Kujansuu, Heljä-Sisko Helmisaari.
Organizer
第127回日本森林学会
Place of Presentation
日本大学、神奈川県
Year and Date
2016-03-27 – 2016-03-30
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