2016 Fiscal Year Research-status Report
木質構造におけるスクリュー接合部の復元力特性発現機構の解明
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15K18721
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
小林 研治 静岡大学, 農学部, 准教授 (90576240)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | スクリュー / 接合部 / 耐力壁 / 低サイクル疲労 |
Outline of Annual Research Achievements |
木質構造建築物において、近年ではセルフタッピングスクリュー(以下スクリューと称する)が多く用いられるようになってきている。一般的にスクリューは焼き入れ等の熱処理によって強度を高めているが、それにより接合具の破断といった脆性的な破壊が生じやすい傾向にある。昨年度までの成果より、スクリューの一定振幅繰り返し曲げ試験において振幅と破断までの繰り返し数に一定の関係が得られること、その結果を鋼板添え板形式の接合部に用いることで接合部の破壊寿命をある程度推定することが明らかとなっている。 本年度は同様の関係を合板を側材とした接合部やスクリュー以外の接合具にも適用できるかどうか検討することを目的として、釘接合部の繰り返し加力試験結果との比較を行った。加力履歴は従前と同様のISO規格による正負3回交番加力に加え、終局変位の1%ずつ漸増載荷するものを行った。釘はスクリューと比較して変形性能が大きい一方で、接合部内でより大きな曲げ変形を受けるために、最終的に破断に至る結果が得られた。 同様の接合部により構成された耐力壁についてもISO履歴に基づく正負交番加力試験、2種の地震波を用いた仮動的加力試験について比較を行い、加力履歴によって異なる変形性能を示すことが確認された。 繰り返し加力試験の方法として昨年度はEN規格に準じた冶具を用いていたが、本年度は新たに中央集中載荷方式に準じた冶具を作成した。これにより従来の懸念で合った曲げ試験の実施効率向上が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新たに作成した曲げ試験治具の調整に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
耐力壁試験結果を追跡できるようなモデルの構築を目指す。
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Causes of Carryover |
予定していた国内・海外出張の費用が安価に抑えられたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度実施できなかった試験体の費用と論文投稿費に充てる。
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Research Products
(1 results)