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2016 Fiscal Year Research-status Report

実養殖環境下におけるスサビノリ共生細菌の生態と共存機構に関する研究

Research Project

Project/Area Number 15K18730
Research InstitutionFisheries Research and Education Agency

Principal Investigator

福井 洋平  国立研究開発法人水産研究・教育機構, 中央水産研究所, 研究員 (40565561)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywords共生細菌 / スサビノリ / 養殖環境 / 細菌叢解析
Outline of Annual Research Achievements

スサビノリの室内培養系中には共生細菌が存在し、共生細菌は藻体の形態形成や発育促進に重要な影響を与えることが解明されつつある。しかし、共生細菌が実際のノリ養殖環境中でどのような挙動を示すかは明らかにされていない。本研究では、ノリ養殖環境中における共生細菌の生態を解明するとともに、それをとりまく環境要因および細菌叢との関連を明らかにすることを目的とする。
本年度は、スサビノリ共生細菌Hyphomonas sp.の特異検出定量PCR法を用いて、ノリ養殖環境の育苗ノリおよび海水における菌数を経時的に調べた。その結果、共生細菌は、海水および育苗ノリ試料ともに検出限界以下であったが、ノリの幼葉状体が付着したノリ網からは少量の菌数が検出された。検出された試料が少なかったため、環境要因との関連を調べるには至らなかった。
前年度に引き続き、スサビノリ養殖環境の育苗ノリおよび海水試料における細菌叢を培養法とクローンライブラリー法により明らかにした。2年間の細菌叢解析から、育苗ノリの表面に優占した細菌群は、培養法ではα-ProteobacteriaおよびCFB-groupであり、DNA・RNAの両ライブラリー法では、α-Proteobacteria、γ-Proteobacteria、およびCFB-groupであった。ノリ養殖場の海水においては、培養法ではα-Proteobacteria のLentibacter 属が優占し、DNAライブラリー法ではα-Proteobacteria およびγ-Proteobacteria が優占した。ノリ養殖環境下のノリ表面と海水の細菌種は異なり、養殖期間を通して高頻度で分離・検出される細菌種も異なることを明らかにした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は、当初の研究計画通りに、養殖環境下における共生細菌の生態を解明し、前年度に引き続いて細菌叢解析を実施し、2年間の結果をまとめることが出来た。また、スサビノリ養殖環境における細菌叢の網羅的解析から、今後の研究を進める上で重要な知見を得ることができたことから、研究の進捗状況としてはおおむね順調に進展していると評価した。

Strategy for Future Research Activity

これまでの結果から、養殖環境下のノリ表面には特徴的な細菌叢が形成されていることを明らかにした。これは、ノリが産生する代謝産物が共存する細菌叢に選択的な影響を与えていると考えられる。この仮説に対する実証試験を、環境要因に依存しない室内閉鎖系で行う。ノリ藻体自体とその代謝産物のどちらが、ノリ表面と海水中の細菌叢に選択的な影響を及ぼすかを検討し、養殖場におけるノリと細菌群の共存機構を理解する。

Causes of Carryover

当初予定していた旅費の支出が少なかったことと、購入を予定していた試薬・消耗品類が、安価で購入できたことがあげられる。また、平成29年度に室内培養での実証試験を、次世代シーケンス解析にて行う予定にしている。それに関連する費用が必要となり、次年度に支出するために残した。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度、次世代シーケンス解析にて必要となる経費に充てる予定である。

URL: 

Published: 2018-01-16  

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