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2016 Fiscal Year Research-status Report

東シナ海におけるマサバの回遊パターンの解明と移動率の推定

Research Project

Project/Area Number 15K18736
Research InstitutionFisheries Research and Education Agency

Principal Investigator

安田 十也  国立研究開発法人水産研究・教育機構, 西海区水産研究所, 研究員 (10550428)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywordsマサバ / 遊泳行動 / 海洋環境 / 回遊 / 記録計 / バイオロギング
Outline of Annual Research Achievements

前年度では、飼育実験により記録計を装着したマサバの死亡率や成長率等を評価し、最適な記録計装着手法を確立した。今年度は、この装着手法を天然マサバに展開し、野外における環境・行動記録を取得することを主な目的として課題に取り組んだ。

2016年10月~11月に対馬海峡においてマサバを一本釣りによって採集した。釣獲したマサバは一時的に船の魚槽に収容し、目立った外傷や行動に異常がないか確認した。その後、オイゲノールを主成分とする麻酔薬を用いて麻酔を施し、腹腔内または背鰭付近に深度センサおよび水温センサを搭載した記録計を装着した。結果として、記録計を装着したマサバを計28尾放流した。一部の個体には、さらに照度センサも搭載した記録計を用いた。

2017年5月時点で、放流した個体のうち2尾がそれぞれ2017年12月と4月に再補された。2017年に再補された個体は1本釣りにより再補された。しかし、再補者の誤解により記録計は破棄されてしまい、データを回収することが出来なかった。再補時に撮影された写真から、記録計を装着した個体の腹腔の傷口は見えなくなっており、健康状態は十分に回復していると考えられた。また、釣りにより再補されたことから、個体は活発に遊泳・摂餌を行っていたものと推察される。2017年4月に再補された個体はまき網により再補された。再補者から記録計が返送され、無事にデータを回収することができた。およそ5ヶ月半にわたる世界初のマサバの行動データを取得することに成功した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

飼育実験から野外調査まで当初の計画通り進んでいる。

マサバは大衆魚として我が国の食生活に欠かすことのできない魚種であるが、野外における行動記録は世界的に例がない。飼育実験から野外調査まで適切な研究過程を踏むことで、計画通りに放流個体を再補し、世界初の記録を取得できたことは大きな成果と評価できる。昨年度実施した飼育実験のデータ分析も順調に進んでおり、得られた成果の公表に向けて着実に進展している。

以上のことから、本研究課題の進捗はおおむね順調に進展していると評価した。

Strategy for Future Research Activity

今回取得された野外における行動記録および飼育実験のデータ分析を主体に取り組む。

得られた成果は学会発表や論文等で公表するだけでなく、漁業者などへの情報提供も積極的に行う。

個体の更なる回収が実現するように関係各所に周知を継続する。

Causes of Carryover

野外調査におけるマサバ購入費等が当初の計画より節約できたため次年度使用額が生じた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

論文のオープンアクセス化、学会発表など研究成果の公表のために使用する。

URL: 

Published: 2018-01-16  

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