2015 Fiscal Year Research-status Report
新たな地域資源循環システムを創生する主体間の協働パフォーマンスに関する研究
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15K18755
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| Research Institution | Policy Research Institute, Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries |
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Principal Investigator |
浅井 真康 農林水産省農林水産政策研究所, その他部局等, 研究員 (60747575)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | バイオマス / 耕畜連携 / 主体間連携 / 取引コスト / デンマーク / フランス |
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| Outline of Annual Research Achievements |
地域資源の効率的な利用・循環は世界共通課題であるが、そのためには再生可能資源を所有する主体と、それを再利用する主体との協働パフォーマンスの向上を取引コストの節約により実現する必要がある。そこで本研究は、バイオマスを介した主体間のマッチングに関して、EUおよび国内の先進事例を通じて、農村地域における主体の発見からネットワーク構築に至るまでの諸課題を制度的側面、社会的側面、環境側面等から解明することを目的とする。
初年度は、研究対象を耕畜連携に絞り、日本、デンマーク、フランスでの耕畜連携に関する先行研究の整理と課題の抽出、さらに各国事例先の選定を行った。共同研究先のフランス国立農業研究所（在トゥールーズ）に滞在し、耕畜連携に関する総説論文の執筆、今後の研究計画およびフランスの事例選定等について打ち合わせを行った。その中で、畜産農家と耕種農家の資源を介したネットワーク構築を取引コスト節約の観点から理解するには新たな分析フレームワークの必要性が確認された。そこで、まず新制度経済学や組織論等、協働行動に関する概念整理を行い、既存のInstitutions of Sustainability（IoS）と呼ばれる分析フレームワークを基盤にしながら、新たなフレームワークの構築と提案を考えている。
この新しい分析フレームワーク構築の議論は、デンマークの共同研究先であるコペンハーゲン大学およびロスキレ大学での打ち合わせによって更に拡張され、国際学会(平成28年度)にて提案を行うことになった。またデンマークでは、耕畜連携の一例として家畜糞尿を核とするバイオガスプラントの調査分析も実施した。ここで得られた成果に関してはIoSを用いて整理を行い、研究論文としてとりまとめを行っている。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究対象を日本、デンマークおよびフランスにおける耕畜連携の取組に絞ったことで、新たな分析フレームワークを構築する必要があることが確認された。そのために横断的な文献レビューを行い論点の整理ができたこと、またデンマークではバイオガスプラントを核とする耕畜連携の取組について必要なデータ収集と分析が行えたことから、おおむね順調に進展していると考える。耕畜連携に関する総説論文に共著者として参加し投稿した点、また新たな分析フレームワークの構築と提案に関して国際学会（平成28年8月末）へエントリーし採択された点等、次年度につながる作業を行えたことも評価できると考える。
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| Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は耕畜連携を理解するための新たな分析フレームワークを完成させ、国際学会にてその枠組みの提案を行いたいと考えている。そのためにも日本、デンマーク、フランスでの事例を新分析フレームワークへそれぞれ当てはめることでその有用性を検証していく。またこの検証の成果は、論文としてとりまとめ、国際誌への投稿を行う。またデンマークのバイオガスに関する論文を完成させ、国内誌に投稿を行う。
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| Causes of Carryover |
初年度の主な作業は、文献のレビューや事例調査先の選定といった準備段階のものが多く、実際に事例先でのデータ収集等にかかる人件費および謝金としての支出がなかったため。また当初予定していた国際学会への参加を行わなかったため。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
二年目である平成28年度は、フランス、デンマークそして国内での事例調査、また執筆論文の英語添削等も予定しているため、これらの作業に係る人件費として昨年度の繰り越し分を使用する予定である。また、国際学会への発表も決定しているため、そのための旅費および学会参加費にも使用する。
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