2018 Fiscal Year Annual Research Report
Study on collaborative performance by local actors for further development of biomass utilization systems
Project/Area Number |
15K18755
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Research Institution | Policy Research Institute, Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries |
Principal Investigator |
浅井 真康 農林水産省農林水産政策研究所, その他部局等, 研究員 (60747575)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 耕畜連携 / バイオマス / 地域資源 / ネットワーク / EU / 取引コスト / 持続可能な農業 / 農業政策 |
Outline of Annual Research Achievements |
地域資源の効率的な利用・循環には、再生可能資源を所有する主体と、それを再利用する主体との協働パフォーマンスの向上を取引コストの節約により実現する必要がある。そこで本プロジェクトでは、バイオマスを介した主体間のマッチングに関して、欧米および国内の先進事例を通じて、農村地域における主体の発見からネットワーク構築に至るまでの諸課題を制度的側面、社会的側面、環境側面等から解明することを目的とした。 最終年度は、2016~2017年に実施した北海道十勝地方でのバイオガス普及に関する調査に関して、酪農家や畑作農家、さらに役場職員といった利害関係者への聞き取り調査から得られたデータの分析結果をとりまとめ、論文を執筆した。当論文は2019年1月にSustainability誌に掲載された。 また、本プロジェクトの主要成果である耕畜連携を扱った論文(2018年2月にLand Use Policyに掲載)での議論を深化させるため、2018年11月にベルギーの研究者を訪れ、畜産農家と耕種農家の資源を介したローカルな取組としての耕畜連携に、これまで注目してこなかった投入財価格や貿易政策等のグローバルな要素を取り込んだ新しい研究プロジェクトの方向性について議論した。当プロジェクトは2019~2022年度の若手研究「グローカル視点からの持続可能な耕畜連携のあり方に関する研究(19K15924)」として採択された。 Land Use Policy掲載の論文では、日仏蘭米の4か国から現行の耕畜連携プロジェクト6事例を選出し、新しい分析枠組に当てはめ、取引コストの節約に寄与する要因の特定や、コスト低減に向けた参加農家たちの戦略を検証した。このように北半球の各地域における事例を広く集めた研究はこれまで存在しておらず、本論文の引用数も着実に増えていることから、貴重な知見を世界に提供したものと考える。
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