2016 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular mechanisms for proliferation-differentiation switch of skeletal muscle stem cells in response to metabolic signaling
Project/Area Number |
15K18766
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
米山 鷹介 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任研究員 (10748289)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | インスリン様成長因子 / インスリン受容体基質 / アセチル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、組織幹細胞の一つである骨格筋芽細胞の機能維持に必須なホルモンであるインスリン様成長因子(IGF)のシグナル仲介分子、インスリン受容体基質IRS-1が細胞内の代謝活性に応じてアセチル化されることで、IGFシグナルが変動、この変動を介して筋芽細胞の増殖・分化が決定されることを明らかにすることを目的としている。 骨格筋由来の培養細胞株をモデルとして、筋分化過程におけるIRS-1のアセチル化量を解析した結果、筋芽細胞が増殖を停止し分化過程へ移行すると、IRS-1のアセチル化が低下することがわかった。その際、IRS-1を脱アセチル化する酵素であるHDAC6の発現量が増加していた。分化過程で上昇するNAD+は脱アセチル化酵素SirTファミリーの補因子として働くが、いずれのSirT分子種も筋芽細胞ではIRS-1を脱アセチル化しないことから、骨格筋分化過程において、細胞内のアセチルCoAやHDAC6の発現量の変動を介して、IRS-1のアセチル化が制御されることが示唆された。 筋芽細胞をHDAC6の特異的阻害剤で長時間処理すると、IRS-1量が減少し、下流経路のAktのリン酸化が減弱することがわかった。さらに、CRISPR-Cas9システムによってHDAC6ノックアウト細胞株を樹立したところ、IRS-1量が対象細胞に比べて減少することを見出した。現在、HDAC6が筋芽細胞の増殖や分化に果たす役割について、HDAC6ノックアウト細胞株を用いた解析を行っている。 以上の成果から、骨格筋の分化過程において、HDAC6を介したIRS-1のアセチル化の制御機構がIGFシグナルによる筋芽細胞の増殖・分化の決定に働く可能性が示された。
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Research Products
(9 results)
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[Presentation] Analysis of receptor tyrosine kinases and G-protein coupled receptor signaling dyanamics on micro-structured surfaces2017
Author(s)
Lanzerstorfer P, Yoneyama Y, Hakuno F, Zindel D, Muller U, Krasel C, Buenemann M, Hoeglinger O, Takahashi S, Weghuber J
Organizer
Biophysical Society 61th Annual Meeting
Place of Presentation
New Orleans, LA, USA
Year and Date
2017-02-11 – 2017-02-15
Int'l Joint Research
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