2016 Fiscal Year Annual Research Report
Activin A as a coordinator of oviductal environment: local action for successful fertilization and establishment of pregnancy in oviducts
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15K18771
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山本 ゆき 岡山大学, 環境生命科学研究科, 助教 (20645345)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アクチビン / 卵管 / アポトーシス / 上皮細胞 / 家畜 |
Outline of Annual Research Achievements |
アクチビンA(ACVA)は細胞の様々な生理現象に関与する局所因子で,ウシ卵管上皮でも遺伝子発現が確認されている。哺乳動物の卵管は受精の場であるが、受精前は精子の移動経路や受精能獲得の場に、受精後は初期胚発育の場となる。初年度においてウシ卵管における ACVA のリガンド・受容体・シグナルタンパク質の発現を明らかにしており,最終年度ではその役割について検討した。 1)ウシ卵管組織における ACVA および ACV 受容体の mRNA 発現を発情周期ステージに分けて解析したところ、峡部において受容体発現が排卵日に有意に減少していた。2) 培養峡部上皮細胞に ACVAおよびフォリスタチン(FST: ACVA作用阻害因子)または SB431542 (SB:ACVシグナル伝達阻害剤)を単独又は組み合わせで添加し,細胞機能に関わる遺伝子発現への作用を検討した。その結果、FST単独およびACVAとの組み合わせ,ならびにSB単独添加において,Bcl2 (抗アポトーシス因子)/Bax (アポトーシス促進因子) の遺伝子発現の比が有意に減少した。 以上より,ウシ卵管峡部では受精直前にActR2A発現の減少により ACVA 作用が減弱し,ACVA 作用の阻害により Bcl2/Bax 比が減少する可能性が示された。発情周期中の峡部上皮における cleaved caspase-3 (アポトーシス実行因子) 陽性細胞数が排卵後2-3日で有意に多いことが確認されており (未発表データ)、受精後に増加する峡部上皮細胞のアポトーシス制御に ACVA シグナルが関与しているかもしれない。卵管峡部は,受精前後の数日間で精子の輸送・貯留から初期胚輸送・発育のサポートへとその役割を変えることから,ACV シグナルはアポトーシスを制御することで受精前後の卵管峡部内の環境を調節している可能性が考えられる。
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Research Products
(2 results)