2017 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of genetic diversity and host-specificity of non-primate hepacivirus
Project/Area Number |
15K18779
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
田中 智久 山梨大学, 大学院総合研究部, 特任助教 (30585310)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | へパシウイルス / 非翻訳領域 / ゲノム複製 / 翻訳 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.へパシウイルス非翻訳領域(UTR)の機能解析 C型肝炎ウイルス(HCV)およびウマへパシウイルス(EHcV)の5' UTR配列を有するレポータープラスミドを用い、各5’ UTR配列のドメイン構造とIRES活性の関係を詳細に検討した。また、HCVレプリコンをベースに、EHcV 5' UTR配列を部分的に有するHCV-EHcVキメラレプリコンを作製し、ウイルスゲノム複製におけるEHcV 5' UTR配列の役割を解析した。その結果、これら異なるへパシウイルスの5' UTRは機能的に相同なIRESドメインを有する一方、ウイルスゲノム複製においては各ウイルス固有の機能を有していることが示唆された。肝臓特異的マイクロRNA(miR-122)はHCVゲノム複製を大きく亢進させることが分かっており、HCVの肝臓親和性を規定する要因の一つと考えられているが、EHcVゲノムの5'末端に位置するステムループ構造はゲノムRNAの安定化を介し、miR-122非依存的にゲノム複製効率を亢進させていることが示唆された。
2.非霊長類へパシウイルス(NPHV)の遺伝的多様性の解析 これまで、様々な動物から多様なNPHVが分離されているが、EHcV以外のNPHVの疫学情報はまだ限られている。そこで本課題では、わが国におけるNPHVの分布を解析し、いまだ解明されていないNPHVの遺伝的多様性を明らかにすることを目的として調査を行った。これまで、本国固有の小動物などの血清をサンプルとして用い、NPHVの分離を行った。現在、分離されたウイルスゲノムのシーケンス解析を行い、本国に分布するNPHVの遺伝的特性を詳細に解析している。
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