2015 Fiscal Year Research-status Report
鳥マラリアの媒介蚊特定法の確立と国内の鳥類における外来性病原体の流行リスク評価
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15K18780
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
金 京純 鳥取大学, 農学部, 助教 (20646012)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 鳥類マラリア原虫 / 媒介蚊 / スポロゾイト |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主目的は、日本産蚊によって媒介される鳥類マラリア原虫(Plasmodium spp.)の遺伝子系統(在来系統)を明らかにすることである。国内における蚊と鳥類からは、50系統以上の鳥類マラリア原虫が報告されているが、国内で流行が起きている在来系統と外来系統との区別ができていない。これまでの研究により、渡り鳥を吸血した蚊から、日本の留鳥からは報告の無い原虫系統が見つかっている。日本産の蚊が、外来性の鳥マラリア原虫を取り込んだ場合、国内で流行が起こるかどうかは、その蚊がベクターとして機能するか否かに大きく左右される。鳥マラリア原虫の媒介蚊を特定し、在来系統と外来系統を把握しておくことは、外来の病原体の侵入および流行の拡大防止につながる。 これまでは、蚊から鳥マラリア原虫を検出する方法として、原虫のDNAを検出するPCR法が用いられてきた。しかし、DNAの検出だけでは媒介蚊を特定することはできず、蚊の体内でスポロゾイト(感染期仔虫)が発育していることを確かめる必要がある。本研究では、PCR法と顕微鏡検査法を組み合わせることで、鳥マラリア原虫の各遺伝子系統について媒介蚊を明らかにする。 平成27年度は、東京都、新潟県、鳥取県、岡山県で蚊を採集し、鳥類マラリア原虫のスポロゾイト保有状況について調べた。アカイエカ、イナトミシオカなど約1800個体を解剖し、顕微鏡検査およびPCR解析を行った結果、3つの鳥類マラリア原虫遺伝子系統についてスポロゾイト発育が確認され、これらは国内流行系統であることが明らかになった。また、鶏に対し高い病原性を示すとされるPlasmodium gallinaceumの国内における流行の有無を調べるため、鳥取県内で飼育されている鶏より採取した血液検体(約100検体)について、顕微鏡検査法およびPCR法によるDNA検査を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は野外調査および検体の分析ともに当初の計画どおりに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度も引き続き各調査地において蚊を採集し、媒介蚊の特定を進めていく。また、鳥マラリア原虫の国内流行状況を理解するためには、宿主鳥類に関する情報も重要であるため、鶏に加え野鳥類からも血液を採取し、鳥マラリア原虫の感染状況を調べる予定である。
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