2017 Fiscal Year Annual Research Report
Diagnostic possibility of urinary exosomal RNAs for drug-induced kidney injury in rats
Project/Area Number |
15K18784
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
園田 紘子 宮崎大学, 農学部, 助教 (60608272)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 尿中exosome RNAs / バイオマーカー / 薬剤性腎障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請研究は、薬剤性腎障害ラットモデルを用いて尿中exosome mRNAおよびmiRNA(RNAs)の腎疾患バイオマーカーとしての有用性を検討することを目的としている。 平成29年度は前年度に行ったPuromycin aminonucleoside(PAN)投与によるネフローゼ症候群ラットモデルを用いた検討から興味深い結果が得られたため、それについてより詳細に解析を行った。 ネフローゼ症候群はタンパク尿、低タンパク血症、浮腫および高脂血症を特徴とした症候群で、PANをラットに投与すると、糸球体足細胞が障害され、ネフローゼ症候群が誘発される。SDラットにPAN(125 mg/kg)を腹腔内投与し、腎機能が最も低下していた投与後5日目の尿中exosome RNAsサンプルを用いたPCRアレイ結果を再度解析した。その結果、同定された全てのmiRNAは155種類であった。PAN群のみで同定されたmiRNAは29種類(rno-miR-672-5pなど)であった。両群で共通に同定されたmiRNAは64種類のうち、コントロール群と比較してPAN群で2倍以上に増加していたものは37種類(rno-miR-29c-5pなど)で、0.5倍以下に減少していたものは8種類(rno-miR-18a-3pなど)であった。また、コントロール群でのみ検出された、つまりPAN群で検出限界以下まで減少していたと考えられるmiRNAは62種類(rno-let-7d-3pなど)であった。これらの結果を用いてシステムズバイオロジー解析を行った。すると、上記の分子を最も多く含むパスウェイとして炎症性疾患・炎症反応ネットワークが形成された。以上の結果から、ネフローゼ症候群において炎症に関連する尿中exosome miRNAがバイオマーカー候補となる可能性が示された。
|