2017 Fiscal Year Annual Research Report
Immunological and pathological study of Mycoplasma bovis pneumoniae in cattle
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15K18785
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
上村 涼子 宮崎大学, 農学部, 助教 (90529190)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Mycoplasma bovis / 牛 / 肺炎 / 免疫応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、1)Mycoplasma bovis肺炎牛の肺を画像診断学的、微生物学的、免疫学的および病理学的に解析し、病態プロファイルを作出すること、2)「易感染宿主マーカー」「肺炎発症牛の病蹄診断マーカー」の探索を目的に試験を行った。 H28年度に宮崎大学に搬入された肺炎牛について病理組織学的検索した結果、M. bovisの関連した肺炎の病理組織像には化膿性気管支炎に加えて、マクロファージの浸潤した肉芽腫病変があることを確認した。そこで、肺の病態形成には肺胞マクロファージが深く関与していると推測し、健康牛の肺胞洗浄液(BALF) を採取し、肺胞マクロファージに対してM. bovisを実験室内で感染させ、産生するサイトカインについてmRNAをreal-timePCRを用いて定量的に解析した。その結果、IL12、INFγおよびTNFαの産生が増加し、TGF、IL4、IL8およびIL10については変化がなかった。BALF由来マクロファージへのM. bovis感作後のサイトカインの産生動態については過去に報告がなく、増加したサイトカインについては肉芽腫形成に強く関与するものであることから、病態形成にマクロファージが強く影響することが推測された。さらに、免疫応答に関して、刺激したM. bovis株の違いによって反応の大きさが異なり、また、BALFを採取した宿主による反応の大きさについても違いが認められたことから、M. bovisの株による病原性の違い、および宿主の感受性の違いがあることが示唆された。宿主感受性の違いについては、形成される肺病変についても異なる可能性があり、このことについて解析を進めているところである。
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