2015 Fiscal Year Research-status Report
追いつき成長における神経堤細胞のインスリン様活性の生理的意義の解明
Project/Area Number |
15K18799
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
亀井 宏泰 金沢大学, 自然システム学系, 助教 (00610362)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 追いつき成長 / ゼブラフィッシュ胚 / インスリン様シグナル |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究では、本研究で着目する神経堤細胞(NCCs)を蛍光タンパク質でラベルされた実験動物の樹立を行った。即ち、NCCsで特徴的に活性化することが分かっているSox10遺伝子の4,725bps上流のプロモーターの下流に蛍光タンパク質VenusをコードするcDNA配列を連結した遺伝子発現ベクターを野生型胚に導入し、交配により第三世代のトランスジェニックゼブラフィッシュ系統(Tg(sox10-4725:Venus))を得た。この系統のゼブラフィッシュ胚にNCCsの増殖を妨げる低分子化合物を処理した場合、Venusの蛍光でラベルされた細胞の数は明らかに減少していた。現在、この胚を材料に、フローサイトメトリーでVenusによりラベルされた細胞のみを選択的に分取する系の確立を進めている。また、低酸素による成長遅滞と再酸素化による追いつき成長を誘導する実験系において、NCCsの挙動がどのように変化しているのかをこの実験動物を用いて調べている。先ず、成長遅滞をきたしている個体においてNCCsの細胞増殖がどのように変化するかを調べた。本年度のこれまでの解析では、追いつき成長を開始する直前の胚ではNCCsにおいて細胞増殖マーカーの発現が顕著に増加する事を示すデータは得られなかった。今後、成長遅滞や追いつき成長の異なるタイムポイントでの変化の観察や、細胞増殖以外(細胞運動や分化など)の変化についても検討を加えていく予定である。また、CRISPR-Cas9の系を用いてインスリン様シグナルの伝達や個体成長に重要な役割を担うIRS1遺伝子をノックアウトしたゼブラフィッシュ系統の作製も進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度はNCCsをフローサイトメーターにより分取し、そこに含まれるRNAおよびタンパク質が成長遅滞や追いつき成長でどのように変化するかを網羅的に調べる事を計画していたが、異動や実験系の移設に際して多くの時間を割いたため、計画していた解析の全てを終える事ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、追いつき成長時にインスリン様シグナルを変化させた場合にNCCsで生じる発現遺伝子の変化について次世代シーケンサー等を用いた解析により調べる。そして、この解析で見いだされた分子が成長の加速や成長後の個体の形質にどの様な影響を与えるか、人工核酸やCRISPR-Cas9システムを用いた遺伝子機能の特異的阻害、NCCs特異的プロモーターを用いた遺伝子発現の増強実験により評価する。以上の解析より、どのような分子群がNCCsでインスリン様シグナルと連動して働き、胚の追いつき成長が達成されるかを調べる。
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Causes of Carryover |
本年度は職場の異動に伴い、実験を中断し研究室の立ち上げ業務に多くの時間を費やした。その結果、計画していた実験の一部は遂行する事ができなかった。また、学会参加も控えた。その為、これらの事に計上していた予算が未使用となり次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度には、本年度中に遂行できなかった実験を行うほか、より積極的に学会にも出席する。
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[Journal Article] The novel functions of high-molecular-mass complexes containing insulin receptor substrates in mediation and modulation of insulin-like activities: Emerging concept of diverse function by IRS-associated proteins.2015
Author(s)
Hakuno, F., Fukushima T., Yoneyama Y., Kamei H., Ozoe A., Yoshihara H., Yamanaka D., Shibano T., Sone-Yonezawa M., Yu B.C., Chida K., Takahashi S.
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Journal Title
Front. Endocrinol.
Volume: 6
Pages: 1-18 (#73)
DOI
Peer Reviewed / Open Access