2016 Fiscal Year Annual Research Report
Plant microRNA biogenesis through RNA 5' cap structure
Project/Area Number |
15K18822
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
岩田 雄二 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助教 (80704965)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | microRNA / シロイヌナズナ |
Outline of Annual Research Achievements |
シロイヌナズナを用いた遺伝学的解析から、microRNA(miRNA)生成に関与するタンパク質が多く同定されている。そのうち、SERRATE(SE)タンパク質は、RNAの5'末端のキャップ構造に結合するタンパク質複合体Cap Binding Complex(CBC)と協調して働くことが示唆されていることから、その機能を詳細に解析した。N末端側にFLAGタグを付加したSEを、SEプロモーターの制御下で発現するコンストラクトを作製し、また、SEのN末端ドメイン、ジンクフィンガードメイン、C末端ドメインを欠失するSEを発現するコンストラクトも同様に作製した。これらをシロイヌナズナse変異体に導入し、表現型の回復度合いを調べると共に、miRNA蓄積レベルなど分子レベルでの評価も行い、SEの機能を調べた。 その結果、欠失を持たないSEを発現させるとse変異体の形態異常は野性型程度にまで回復し、miRNA蓄積レベルも同様のレベルにまで回復した。一方、それぞれの欠失コンストラクトを発現するコンストラクトは、いずれもある程度の表現型の回復はみられるものの、野生型と同様のレベルにまで回復はしなかった。ジンクフィンガードメインを欠失するコンストラクトは形態異常はあまり回復しておらず、miRNA蓄積レベルも他の二種類のコンストラクトと比較して低かったことから、ジンクフィンガードメインがSEの機能に重要であることが示された。精製タンパク質を用いた実験から、SEはmiRNA前駆体を切断するRNaseであるDicer-Like1(DCL1)と直接相互作用し、その相互作用はジンクフィンガードメインを介していた。以上のことから、SEはジンクフィンガードメインを介してDCL1と相互作用しmiRNA前駆体のプロセシングを促進することが考えられた。
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