2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K18838
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
中島 康介 東京薬科大学, 薬学部, 助手 (90722843)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 有機分子触媒 / 不斉合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
リパーゼをはじめとする生体触媒は多岐にわたる合成反応に利用されている。特にリパーゼは位置選択的なアシル化反応や光学分割にも利用され、価値ある光学活性な合成中間体を簡便に入手することを可能にする。しかしリパーゼは、反応温度や、反応溶液のpHにより失活することがあり、リパーゼをある特定の反応に適合させるために、修飾・改変することは困難である。我々は、以前に開発したスルホンアミド型有機分子触媒の第一級アミノ基を第三級アミノ基に変換することにより、ラセミ体ジオールを光学分割できる実験結果を得た。そこで、入手容易な種々の天然アミノ酸から類似の有機触媒ライブラリーを構築し、第二級アルコールの光学分割法、メソ体の両エナンチオ選択的アシル化反応の開発、糖水酸基の選択的なアシル化反応の開発に応用する。さらに、これらの有機触媒を用いて生理活性糖鎖分子の合成へと展開する。 本年度は、有機分子触媒のライブラリー構築を目的として、各種天然アミノ酸からスルホンアミド骨格を持つ有機分子触媒を多種類調整した。天然アミノ酸であるバリン、フェニルアラニンから誘導したスルホンアミド型有機触媒の第一級アミノ基を種々の第三級アミノ基(ジメチルアミノ基、環状アミノ基)へと変換した。 次に、phenylethane-1,2-diolの光学分割反応をモデル反応として最適触媒の探索、反応条件の最適化を行った。室温条件下、ジクロロメタンを反応溶媒として、phenylethane-1,2-diolに対して、有機触媒を0.1当量、ベンゾイルクロライドを0.5当量用い、調整した種々の有機触媒を用いて検討した。得られた実験結果を基に、本反応に最適な触媒構造の設計を行っている段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では、平成27年度中にphenylethane-1,2-diolの光学分割反応について最適な有機触媒を選定し、反応条件を最適化する予定であったが、最適な有機触媒の選定が完了しておらず、現在検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き天然アミノ酸由来の触媒ライブラリーの構築と最適な有機触媒の選定を行う。最適な有機触媒が発見できない場合には、キニーネ等のアミノ酸以外のキラルな化合物を利用した有機触媒を調整し利用する。
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Causes of Carryover |
本年度は、有機触媒ライブラリーの構築とモデル反応への適用を行った。次年度は最適な有機触媒の大量スケール合成、さらに生理活性糖鎖分子の大量合成を行う。大量スケール用の器具、試薬の購入ために次年度へと繰り越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最適触媒、生理活性糖鎖分子の大量合成に必要な器具、試薬の購入に使用する。
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Research Products
(4 results)