2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Methodology for Construction of Cyclic Skeletons Using NHC-Catalyzed Umpolung-Type Gamma-Addition Reaction
Project/Area Number |
15K18841
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
鍬野 哲 千葉大学, 大学院理学研究院, 特任助教 (50733531)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 含窒素複素環式カルベン / 炭素環構築反応 / 極性転換 / シクロペンテン誘導体 / 転位反応 / ハロゲン結合 / 酸塩基複合触媒 / 不斉合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
含窒素複素環式カルベン(NHC)を用いる極性転換型γ付加反応を基盤とした環骨格構築法の開発を目的として研究を行い、研究期間全体を通じて以下の成果をあげた。 (1) 触媒量のNHC存在下、アレニルスルホンとベンジリデンマロノニトリルを用いる極性転換型γ付加反応を検討し、多置換シクロペンテン誘導体が高収率で得られることを見出した。X線結晶構造解析の結果から、NHCの求核付加により開始されるスルホニル基の転位を伴った炭素環構築機構が示唆された。(2) NHC触媒を用いる隣接ジオール類のモノアシル化反応の開発を行った。温和な条件下、1,2-、1,3-、及び1,4-ジオール類が高収率、高選択的にモノアシル化された。(3) 1,2-ジオールの活性化を志向し、新規キラルボロン酸触媒を開発した。シンコナアルカロイド由来のボロン酸触媒を用いると環状cis-1,2-ジオールの不斉非対称化が高収率、高立体選択的に進行した。(4) 本研究の過程にて、発生させたNHCをヨウ素分子で補足するとハロゲン結合供与体として機能する2-ヨードイミダゾリニウム塩が得られた。(5) 2-ヨードイミダゾリニウム塩触媒の存在下、アルデヒドとインドールを用いるビスインドリルメタン誘導体の合成法を開発した。生物活性を示すVibrindole AやArundineの合成も行った。(6) 2-ヨードイミダゾリニウム塩触媒の存在下、2-ビニルインドールの[4+2]環化付加による2量化が高収率で進行することを見出した。(7) 2-ヨードイミダゾリニウム塩触媒の存在下、2-ビニルインドールとイミンのヘテロDiels-Alder反応が高収率で進行することを見出した。(8) ハロゲン結合供与部位を有するキラルな有機塩基触媒を開発し、マロノニトリルとアルジミン及びケチミンの不斉Mannich型反応が高収率、高立体選択的に進行した。
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