2015 Fiscal Year Research-status Report
蛍光タンパク質プローブを用いた高尿酸血症治療薬スクリーニング法の開発
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15K18847
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
中村 真希子 東京薬科大学, 薬学部, 助教 (80447557)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 尿酸トランスポーター / 尿酸トランスポーター阻害薬 / 蛍光タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者はこれまでに、Uricase-HyPer融合タンパク質をコードするプラスミドベクターpcDNA-Uricase-HyPerを構築した。本年度は、以下の点に着目し評価系の最適化を行った。①細胞株 サル腎由来COS7細胞、チャイニーズハムスター卵巣由来CHO細胞、ヒト腎由来HEK293細胞に設計したプローブタンパク質Uricase-HyPerのプラスミドベクターをエレクトロポレーションし、遺伝子導入効率を比較した。尿酸トランスポーターとして知られるURAT1, GLUT9,ABCG2などの内在性発現を逆転写PCR法により評価し、COS7細胞と比較し内在性トランスポーターの発現量が低い細胞を選択した。②遺伝子導入法 尿酸トランスポーターURAT1とUricase-HyPerのベクターをエレクトロポレーションによりco-transfectionし、URAT1恒常発現株を用いた際と、発現効率及び尿酸添加時の蛍光変化を比較した。③尿酸検出反応時の細胞外液組成 URAT1はアニオン交換輸送を行うため、細胞外液中の塩化物イオンに輸送阻害を受ける(Nature 417, 447, 2002)。よって、塩化物イオンフリー溶液に尿酸を溶解し、蛍光変化が増強されるか検討した。 上記で決定した最適条件を用い、URAT1/Uricase-HyPer共発現細胞に、尿酸とURAT1阻害薬ベンズブロマロン、プロベネシド、ロサルタンを添加した条件下で、経時的な蛍光変化をプレートリーダーにより測定した。対照として、URAT1機能欠損変異体URAT1W258Xを導入した細胞株に同様の実験を行った。さらに、蛍光変化からIC50値を算出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題で使用する融合タンパク質プローブは平成24-26年度科研費研究課題で構築済であるため、速やかに研究を開始することが可能であった。研究に使用する機器類も既に研究実施機関に備わっており、順調に研究を進めることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
以下の3点を進める予定である。 1.GLUT9/Uricase-HyPer共発現株の構築 哺乳類細胞用GLUT9発現ベクターpcDNA-GLUT9はチェコ共和国カレル大学Stiburkova博士より提供を受ける。遺伝子導入法及び細胞株については27年度に検討した最適条件に従い、GLUT9/Uricase-HyPer共発現株を構築する。構築後のGLUT9発現は逆転写PCR法により確認する。Uricase-HyPerの発現は蛍光観察により確認する。 2.Uricase-HyPer融合タンパク質によるGLUT9尿酸輸送評価 1で構築したGLUT9/Uricase-HyPer共発現株に尿酸を添加し、添加後の蛍光変化を蛍光プレートリーダーを用いて経時的に測定する。 3.Uricase-HyPer融合タンパク質を用いたGLUT9阻害薬評価 1で構築したGLUT9/Uricase-HyPer共発現細胞に尿酸とGLUT9阻害薬を添加した条件下で経時的な蛍光変化をプレートリーダーにより測定、また顕微鏡下で可視化する。既にGLUT9阻害能が報告されているベンズブロマロン、プロベネシド、ロサルタンについて検討する。蛍光変化からIC50値を算出する。
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