2015 Fiscal Year Research-status Report
新規オートファジー実行に関わるゴルジ体機能分子の同定、機能解析と哺乳動物への応用
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15K18860
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
山口 啓史 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教 (50644241)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | オートファジー / 遺伝学 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、オートファジーに必須とされてきたAtg5やAtg7に依存しない、新たなメカニズムによるオートファジー (新規オートファジー)を発見した。その後の研究で、この新規オートファジーが、(1)出芽酵母においても同様の機構が存在すること、(2)ゴルジ体膜が起源になっていることを見出した。本研究では、(1) 出芽酵母の遺伝学を用いて、オートファジー実行に関わる分子を同定し、機能解析を行うこと、(2) 哺乳動物の相同遺伝子を探索し、哺乳動物における新規オートファジーの分子機構解析を行うこと、(3) オートファジーを制御できる化合物の探索を行い、オートファジーの破綻に起因する疾病の治療戦略を確立することを目的とした。 (1) 我々のグループでは、出芽酵母の遺伝学を用いて、出芽酵母における新規オートファジーに関わる分子を、これまでに8つ同定した。 (2) これら遺伝子の欠損株を作製し、新規オートファジー誘導刺激後の電子顕微鏡観察を行った。その結果、同定分子が新規オートファジーの如何なるステップに関与するか明らかにできた。 (3) また、8つの同定分子の哺乳動物相同遺伝子を探索した結果、6つの相同遺伝子が同定された。 (4) この6つの哺乳動物相同遺伝子をサイレンシングしたマウス線維芽細胞では、新規オートファジーが抑制されていることが観察された。 今後、新規オートファジーの分子機構の全体像、生理的役割を明らかにできる可能性が高い。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初からの計画していたように、出芽酵母における新規オートファジーに関わる分子を、遺伝学を用い、複数同定でき、新規オートファジー素過程の如何なるステップで機能しているかを明らかにできた。また、哺乳動物細胞のおいても、新規オートファジーに関わる分子を同定できた。以上の理由により、本プロジェクトの今年度の達成度はおおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) 同定できた哺乳動物相同分子が、新規オートファジー実行過程のどのステップに関与するかを明らかにする。 (2) これまでに同定している新規オートファジー分子との相互作用、上下関係を明らかにし、分子機構を系統的に明らかにする。 (3) さらに、当該分子のノックアウトマウスの作製に着手する。
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Research Products
(2 results)