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2015 Fiscal Year Research-status Report

うつ病発症における脳アストログリア空間的カリウム緩衝機構の生理的役割の解明

Research Project

Project/Area Number 15K18878
Research InstitutionInternational University of Health and Welfare

Principal Investigator

中谷 善彦  国際医療福祉大学, 薬学部, 助教 (40582169)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywordsグルココルチコイド / カリウムチャネル
Outline of Annual Research Achievements

今年度は基礎知見として、ラットグリア腫由来細胞株であるC6グリオーマ細胞に対するグルココルチコイドホルモンの影響の有無を検討した。その結果、C6グリオーマ細胞へのコルチコステロンの添加により細胞増殖抑制が、ミネラルコルチコイドレセプターを介さずにグルココルチコイドレセプター依存的に引き起こされることを明らかにした。また、この細胞増殖抑制にグルココルチコイドレセプターのリン酸化が関与しないことも明らかとしたとし、これらの知見を論文として投稿中である。また、ヒトグリア腫由来細胞株であるU87MGおよびT98G細胞の細胞増殖に対するグルココルチコイドホルモンの影響の有無を検討したところ、C6グリオーマとは異なり、コルチコステロンおよびハイドロコルチゾンともに明らかなな影響は認められなかった。
続いて、これら一連の実験で得られた結果を元に、アストログリアにおいて発現することが知られているKir4.1, Kir.4.2, Kir5.1の発現の有無についてウェスタンブロット法で検討したところ、その発現が極めて低いことが明らかとなった。そこで、C6グリオーマ細胞のカリウムイオン緩衝能を調べるため、C6グリオーマ細胞存在下および非存在下において培地にKClを添加し、37℃で24時間インキュベートした後上清を回収した。続いて、その上清をラットセロトニン神経由来細胞株であるB65細胞に添加して生存率を検討したところ、C6グリオーマ細胞の存在の有無に関わらず、B65細胞の生存率は添加されたKClの濃度依存的に減少した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

C6グリオーマを用い、グルココルチコイドによる細胞増殖抑制作用とそのメカニズムの一部を明らかにしたものの、これらの細胞において当初発現していると予想された内向き整流性カリウムチャネルのKir4.1, Kir4.2, Kir5.1の発現量が低かった。また、その際にカリウムイオン緩衝能を検討したところ、緩衝作用が殆ど認められなかった。これらのことから、本実験の培養条件下において、アストログリア細胞株を用いたカリウム緩衝機構の解析は難しいと考えられる。

Strategy for Future Research Activity

本研究で使用した種々のアストログリア細胞株は、レチノイン酸やdbcAMPによりGFAP陽性アストログリアに分化することが知られている。このことから、今後、これらアストログリア細胞株を分化誘導した場合におけるカリウムチャネルの発現解析を行うとともに、その際のカリウムイオン緩衝能を検討する予定である。また、アストログリア細胞株による本研究の遂行が不適当である可能性も鑑み、初代培養アストロサイトを用いた検討に入ることも予定する。

Causes of Carryover

当初、アストログリア細胞株において発現しているカリウムイオンチャネルを同定し、それらのカリウムチャネルをCHO細胞へ過剰発現させた細胞株を作製する予定であった。しかし、今回の実験条件において、使用したアストログリア細胞株で発現が予想されたカリウムチャネルの発現量が極めて少なく、且つカリウムイオン緩衝能も確認することが出来ず、実験計画の修正が必要となったため、計画より使用額が減少し、次年度使用額が生じることとなった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度は、アストログリア細胞株を各種薬物で分化させた際に発現するカリウムチャネルを同定するとともに、今回使用したアストログリア細胞株が本研究に不適当である可能性を考慮し、初代培養アストログリアにおいて発現するカリウムチャネルの同定を並行して行う。その上で、カリウムイオン緩衝能を担っていると考えられるカリウムチャネルを決定し、そのカリウムチャネルをCHO細胞へ過剰発現させた細胞株の樹立を試みる。

  • Research Products

    (6 results)

All 2016 2015

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results,  Open Access: 3 results,  Acknowledgement Compliant: 1 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] Oxaliplatin administration increases expression of the voltage-dependent calcium channel α2δ-1 subunit in the rat spinal cord.2016

    • Author(s)
      Yamamoto K, Tsuboi M, Kambe T, Abe K, Nakatani Y, Kawakami K, Utsunomiya I, Taguchi K.
    • Journal Title

      Journal of Pharmaceutical Sciences

      Volume: 130 Pages: 117-122

    • DOI

      10.1016/j.jphs.2016.01.006.

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] Yokukansan enhances the proliferation of B65 neuroblastoma2016

    • Author(s)
      Nakatani Y, Amano Y, Yamamoto H, Sakai N, Tsuji M, Takeda H
    • Journal Title

      Journal of Traditional and Complementary Medicine

      Volume: XXX Pages: 1-11

    • DOI

      10.1016/j.jtcme.2016.01.006

    • Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
  • [Journal Article] Effects of IgG anti-GM1 monoclonal antibodies on neuromuscular transmission and calcium channel binding in rat neuromuscular junctions.2015

    • Author(s)
      Hotta S, Nakatani Y, Kambe T, Abe K, Masuda Y, Utsumomiya I, Taguchi K.
    • Journal Title

      Experimental and Therapeutic Medicine

      Volume: 10 Pages: 535-540

    • DOI

      10.3892/etm.2015.2575

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] 甘草含有成分であるliquritinのセロトニン神経由来細胞株B65におけるmenadione誘導酸化ストレスに対する細胞保護効果とそのメカニズムに関する検討2015

    • Author(s)
      中谷 善彦、天野 託、矢作 忠弘、辻 稔、武田 弘志
    • Organizer
      第45回日本神経精神薬理学会・ 第37回日本生物学的精神医学会 合同年会
    • Place of Presentation
      タワーホール 船堀(東京都江戸川区)
    • Year and Date
      2015-09-24
  • [Presentation] Neuro2a細胞におけるSNAP25の細胞生存に及ぼす影響2015

    • Author(s)
      山本 彩佳、大井 ありさ、根本 佳奈、高木 正史、高橋 詩織、中谷 善彦、天野 託
    • Organizer
      生体機能と創薬シンポジウム2015
    • Place of Presentation
      日本大学薬学部(千葉県船橋市)
    • Year and Date
      2015-08-27
  • [Presentation] 抗悪性腫瘍薬の開発を指向した新規ベンズインドール誘導体の抗グリオーマ作用の検討2015

    • Author(s)
      渡邊 有加里、高橋 詩織、Nyo Mi SWE、中谷 善彦、渡邊 敏子、 天野 託
    • Organizer
      生体機能と創薬シンポジウム2015
    • Place of Presentation
      日本大学薬学部(千葉県船橋市)
    • Year and Date
      2015-08-27

URL: 

Published: 2017-01-06  

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