2016 Fiscal Year Research-status Report
腸内代謝モデル組み込み活性評価システムと肝庇護物質の天然素材からの創薬
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15K18895
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
土橋 良太 福岡大学, 薬学部, 助教 (00369026)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 腸内細菌 / 代謝 / 天然化合物 / 肝保護 |
Outline of Annual Research Achievements |
1,平成28年度も伝承で効果のある天然薬物や機能性食品、食経験のある野草いわゆる山菜などの植物サンプルを継続して、その採取できる季節に応じ、さらに採取できるフィールドでの採集を行った。同じ山菜でも栽培物とフィールドから採取したものは、成分等が大きく異なる事も多いので、継続してのフィールドからのサンプル採集は非常に重要であり、価値のあるものである。今年度も、モミジガサ、ユキノシタ、ウコギ科の山菜であるタラ、ツワブキなどのサンプルを採集できた。 2,コシアブラ、桑、ユキノシタ、モミジガサ、葛花等からの成分の分離精製、構造決定を行い、多数のフラボノイド配糖体の分離精製に成功した。また、葛花に関しては、分離精製過程において、新規のイソフラボノイド配糖体の分離に成功した。また、コシアブラに関しても、新規のフラボノイド配糖体の分離に成功した。 3,大豆に含まれる主成分のsoyasaponin Iに関して、人糞便による代謝実験を行い、代謝速度の解明や、最終代謝物の分離、生成、構造決定まで成功した。その結果、soyasaponin Iの代謝速度は比較的遅く、また最終代謝物は、そのアグリコンであるsoyasapogenol Bの部分還元されたものが2種得られた。また、コシアブラから、単離生成したフラボノイド配糖体に関してもヒト由来腸内細菌株を用いた代謝実験を行い、アグリコンに付加している糖の数、種類、位置による代謝の変化について解明することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
継続して天然薬物、機能性食品、野草いわゆる山菜等からのエキス生成、それらの成分分離、構造決定を行っている。またそれらの腸内細菌による代謝も並行しておこなっているが、それらのすべてにおいての成分分離、構造決定に時間を要しているためである。
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Strategy for Future Research Activity |
継続して天然薬物、機能性食品、野草いわゆる山菜等からのエキス生成、それらの成分分離、構造決定、腸内細菌による代謝も行って行く。 フィールドからの植物サンプルの入手は、時期、場所、採取量大きな制限があるが、それらの制限を克服しつつサンプルの採取を継続しておこなって行く。植物エキス、単離成分、代謝後の化合物に関しては肝保護活性のの測定を行い、代謝と肝保護活性の関係を明らかにしていく予定である。
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Causes of Carryover |
研究実施射が所属する研究室の備品、消耗品を他の研究テーマと共同で使用したことにより次年度使用額が生じてしまった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度も、分離精製に多数のカラムが必要になる為、それらに使用する。また、代謝の解析には、HPLCやNMRなどを用いるが、それらの消耗品に購入にも用いる。
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Research Products
(2 results)