2017 Fiscal Year Research-status Report
さく葉標本を利用した、薬用植物のDNA鑑別のためのプラットフォーム構築
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15K18896
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
政田 さやか 国立医薬品食品衛生研究所, 生薬部, 主任研究官 (50647097)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 薬用植物 / 基原鑑別 / さく葉標本 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、生薬や天然物医薬品の基原鑑別において、DNA鑑別の手法が用いられるようになってきたが、データベースに登録された配列の正確性は保証されておらず、形態学的に正しく同定された基原植物のDNA情報の収集が求められている。本研究では、高知県立牧野植物園の協力のもと、生薬の基原植物種およびその近縁種のさく葉標本の提供を受け、そのDNAから複数領域の塩基配列情報を取得して、分子系統学的解析を行う。 本年度は、新たにBupleurum属植物のさく葉標本からのDNA抽出と核及び葉緑体遺伝子の配列情報の取得に着手するとともに、DNAの増幅・解読率向上を目指し、実験手順やプライマー配列の改良を試みた。 一方で、文献や専門家の意見に基づき植物の学名についての調査を進めた結果、学名は時代や国、学界等によって異なることが明らかになり、さく葉標本に記載された分類学名と生薬の基原植物種名のブリッジングには、より多くの課題が存在することが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
国立研究機関として最優先で対応すべき緊急の業務が複数発生したことに加え、研究所の移転が重なり、研究遂行のための時間と場所、実験機器を十分に確保することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、実験プロトコールを改良し作業の効率化を図りながら、薬用植物のさく葉標本からのDNA抽出と配列解読を行う。
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Causes of Carryover |
研究計画が遅延したため、事業期間の延長許可を得て、来年度も研究を継続する。
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