2016 Fiscal Year Annual Research Report
The efficient transformation from cyclic peptide to lead ligand
Project/Area Number |
15K18897
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
一ノ瀬 亘 北海道大学, 薬学研究院, 特別研究員(PD) (00636409)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ペプチドミメティック / 計算化学 / ライブラリー合成 / リード化合物 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的化合物ライブラリーへの共通中間体の合成を行った。またペプチドミメティックとしてのペプトイドの合成および生理活性および物性評価を行った。 前年度に選定した化合物ライブラリーは、特定のシクロプロパン骨格において側鎖リンカー長の異なる化合物群となった。これを効率的に合成するべく考案した合成スキームにおいて、文献上可能であった保護基の外し分けが十分な収率で達成することができなかったため、本年度において合成ルートの再検討が必要であった。本研究以前に検討していたシクロプロパンβ位におけるアルキルエーテル化の反応は、過剰の試薬を用いることで良好に進行することが分かった。その後の側鎖部の不斉炭素構築、炭素鎖伸長は既知の汎用性の高い反応を適用することで目的の共通中間体を十分量合成することが可能となった。 本研究課題は環状ペプチドの構造を元に低分子リガンドを開発するミメティックの研究である。ここで、よりペプチドの基本構造に類似したミメティックであるペプトイドにも注目した。ペプトイドにおける側鎖の配列や置換基の差異が、化合物の活性および溶解性などの分子全体の物性に与える影響を調べることによって、当課題の有用性ならびに注意点をより明確にできると考えた。 天然の抗菌活性ペプチドを模倣するらせんペプトイドを基に、アミノアルキル側鎖をカルボン酸、ピリジンにした新たなペプトイドに加え、配列順のみを変えた系統的ライブラリーを合成した。ペプチドの計算モデルを利用して配列の異なるライブラリーの疎水性モーメントを算出した。実験的に得た分配係数や逆走HPLCにおける溶出時間など、リード化合物に重要な物性面では計算との相関が明確ではなかった。一方で抗微生物、抗菌活性を調べたところ、疎水性モーメントが大きい程、活性も向上するという相関を示した。
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